(6)進行非小細胞肺癌に対する温熱化学療法の成果に及ぼす因子の検討
目的:転移のある非小細胞肺癌に対して, 癌休眠療法を目的とした少量の化学療法と電磁波温熱治療を併用して治療した24例で, 1年生存率は64.7%, 3年生存率は21.9%, 生存期間の中央値は16.3ヶ月と良好な長期生存を得ることが出来ることを発表した(1). その症例の中で, 生存に影響した因子を分析する. 対象と方法:男女各12例, 平均年齢63.9±8.4歳, 腺癌20例, 扁平上皮癌1例, 大細胞癌1例, 非小細胞肺癌2例の計24例で, 最初の病期分類がIV期であるものが15例であるが, 本研究に入るときには全例に遠隔転移があった. 平均観察期間は18.8ヶ月(2~48ヶ月)であった....
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Zusammenfassung: | 目的:転移のある非小細胞肺癌に対して, 癌休眠療法を目的とした少量の化学療法と電磁波温熱治療を併用して治療した24例で, 1年生存率は64.7%, 3年生存率は21.9%, 生存期間の中央値は16.3ヶ月と良好な長期生存を得ることが出来ることを発表した(1). その症例の中で, 生存に影響した因子を分析する. 対象と方法:男女各12例, 平均年齢63.9±8.4歳, 腺癌20例, 扁平上皮癌1例, 大細胞癌1例, 非小細胞肺癌2例の計24例で, 最初の病期分類がIV期であるものが15例であるが, 本研究に入るときには全例に遠隔転移があった. 平均観察期間は18.8ヶ月(2~48ヶ月)であった. 山本ビニター(株)製のサーモトロンRF-8を用い, 出力1197±112W, 40分間治療した. 温熱治療は, 3~5回/週, 患者1名あたりの平均治療回数111.5±95回(9~390回)で, 化学療法は, 原則としてCPT-11 20mg/平方メートルを3回/週day1,2,3で投与した. 化学療法の平均治療回数は, 32±24回(2~101回)であった. CPT-11の総投与量は平均860mg(74~2430mg)であった. 2例にCDDPの併用投与が行われており, CDDP耐性と判断されたときにはセカンドラインとしてタキソテールあるいはゼムザールが使用された. 分析因子:年齢, 性別, Performance Score, 最初の病期分類, 最大腫瘍径, 1病巣あたりの温熱化学治療回数, 化学療法の変更の有無, 化学療法の既往, 放射線治療の既往, 手術の既往を取り上げた. 単変量分析の結果:P値が0.05以下で, 生存が伸びるのは以下の因子であった. 年齢70歳以下, PSが0か1, 1病巣あたりの温熱化学治療回数が15回以上で遂行率が80%以上, 化学療法の既往あり, 放射線治療の既往ありであった. 化学療法の薬剤変更はP=0.0955であった. 多変量分析の結果:P値が0.05以下で, 生存が伸びるのは以下の因子であった. 1病巣あたりの温熱化学治療回数が15回以上で遂行率が80%以上(P=0.0022), 化学療法の既往あり(P=0.0071), 放射線治療の既往あり(P=0.0092)であった. 化学療法の薬剤変更はP=0.0746であった. その他の因子:1週間の電磁波温熱治療の治療回数を4回未満と4回以上で分けて生存曲線を分析したところ, P=0.429で生存に有意差はなかった. 5回と5回未満ではP=0.12で有意差はないが有意な傾向は認められた. 温熱治療の総回数では100回以上か未満で分けると100回以上がP=0.0342で有意に良好であった. しかし150回以上か未満で分けるとP=0.14で有意ではなく, 50回以上か未満で分けるとP=0.09で有意とは言えなかった. 結論:少量のCPT-11を週3回の電磁波温熱治療と併用するのが, 転移のある非小細胞肺癌の良好な生命予後に貢献すると考えられた. この治療の遂行率が重要であり, 化学療法の変更は有意な影響があるとは言えなかった. 今後はCPT-11単剤よりは効果があるとされるCDDP併用で, 治療を続けたいと考えている. 文献(1)K. Okamura et al:Hyperthermia with low dose chemotherapy for Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer. The Kadota Fund International Forum 2004. Applications of thermal stress for the improvement of health. -Consensus and proposals-. June 2004. |
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ISSN: | 0911-2529 |