インプラントヒーティングにおけるナノ磁性微粒子の発熱機構

【目的】磁性体を使用したインプラントヒーティングハイパーサーミアの問題点を整理し, ナノ磁性微粒子をインプラントとして使用するときの発熱機構を考察し, 微粒子の大きさ, 形状, 腫瘍組織内分布などによって温熱特性の違いを検討する. 【方法】スピネル型酸化物の粉末とマグネタイトの1nm~30nmの磁性微粒子を調製し, その発熱特性を周波数250kHz, 磁界20~100ガウスの範囲で調べた. また寒天ファントムと微粉末を混合し球状に整形し, その温度分布の測定と有限要素法による計算を行った. 【結果】微粉末の発熱は磁性のヒステレシス損によっていることが判明した. また, 磁性微粉末を用いた組織内...

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Hauptverfasser: 清水利文, 松井正顯
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】磁性体を使用したインプラントヒーティングハイパーサーミアの問題点を整理し, ナノ磁性微粒子をインプラントとして使用するときの発熱機構を考察し, 微粒子の大きさ, 形状, 腫瘍組織内分布などによって温熱特性の違いを検討する. 【方法】スピネル型酸化物の粉末とマグネタイトの1nm~30nmの磁性微粒子を調製し, その発熱特性を周波数250kHz, 磁界20~100ガウスの範囲で調べた. また寒天ファントムと微粉末を混合し球状に整形し, その温度分布の測定と有限要素法による計算を行った. 【結果】微粉末の発熱は磁性のヒステレシス損によっていることが判明した. また, 磁性微粉末を用いた組織内加温では, マウスでは0.04ワット以上でよいが, ヒトの場合は0.2ワット以上必要でとなることがわかった. これは周波数250kHzで, 交番磁界100ガウスのコイルを使用した場合は, ヒトではマグネタイト0.1グラム以上必要となることを意味する. 【まとめ】磁性微粒子を用いたハイパーサーミアでは, 装置をこれ以上大きくすることは難しいので, マグネタイトの数倍の発熱能を持つ材料を開発する必要があると考えられる.
ISSN:0911-2529