一過性脳浮腫をきたしたMCNU動注化学療法併用温熱放射線療法を施行した悪性神経膠腫症例

(目的)MCNUの経皮的頸動脈内注入による化学療法を併用した温熱放射線治療を行った後脳浮腫をきたした症例を報告する. (症例)症例は失語症にて発症した, 左基底核部グリオーマの66歳男性である. 左被殻部病変に対してstereobiopsyを施行し, glioblastomaの組織診断を得ると同時に組織内温熱治療用の電極を挿入, 留置した. 放射線治療10Gyとともに局所温熱治療3回とMCNU動注化学療法2クールを行った. 更に経過して, 照射50Gyの時点で更に1クール動注化学療法を行ったところ失語症の軽度悪化をきたし, CT上局所脳浮腫の増悪を認めた. ステロイド治療により症状は軽快するも...

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Veröffentlicht in:日本ハイパーサーミア学会誌 2001, Vol.17 (suppl), p.145-145
Hauptverfasser: 高橋英明, 宇塚岳夫, 葛雲龍, 近貴志, 田中隆一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)MCNUの経皮的頸動脈内注入による化学療法を併用した温熱放射線治療を行った後脳浮腫をきたした症例を報告する. (症例)症例は失語症にて発症した, 左基底核部グリオーマの66歳男性である. 左被殻部病変に対してstereobiopsyを施行し, glioblastomaの組織診断を得ると同時に組織内温熱治療用の電極を挿入, 留置した. 放射線治療10Gyとともに局所温熱治療3回とMCNU動注化学療法2クールを行った. 更に経過して, 照射50Gyの時点で更に1クール動注化学療法を行ったところ失語症の軽度悪化をきたし, CT上局所脳浮腫の増悪を認めた. ステロイド治療により症状は軽快するも, 画像上浮腫は4ヶ月持続した. その後CT上腫瘍の消失を認め, 14ヶ月経過した現在も再発を認めていない. (考察)一般に脳腫瘍の温熱治療直後に脳浮腫をきたすことは知られているが, 1ヶ月後の遅発性に認めた例はない. 抗癌剤の頸動脈注後の脳浮腫も希であり, MCNU動注後に脳浮腫をみた例もない. (結語)起こりうる合併症を念頭におき温熱化学放射線治療を行うことが必要である.
ISSN:0911-2529