簡易型誘導加温装置におけるデキストランマグネタイトの加温特性
〔目的〕我々はデキストランマグネタイト(DM)を用いた誘導電磁波加温法を開発し, 細胞内あるいは組織内にDMを貪食あるいは注入することにより効率的局所加温が得られることを報告してきた. DM粒子のマグネタイト部分は径が3~5nmと小さく, 血清中のコロイド安定性に優れているものの誘導電磁波加温装置が大型になる欠点を有していたために, 昨年の本学会でこの問題を解決するための装置の小型軽量化に重点を置いた試作装置について報告した. 今回は試作装置によるソレノイド型誘導コイルとパンケーキ型誘導コイルの加温特性について報告する. 〔対象〕基本仕様はAC200V, 3kWまでの連続可変, 100kHz~...
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Veröffentlicht in: | 日本ハイパーサーミア学会誌 2001, Vol.17 (suppl), p.84-84 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕我々はデキストランマグネタイト(DM)を用いた誘導電磁波加温法を開発し, 細胞内あるいは組織内にDMを貪食あるいは注入することにより効率的局所加温が得られることを報告してきた. DM粒子のマグネタイト部分は径が3~5nmと小さく, 血清中のコロイド安定性に優れているものの誘導電磁波加温装置が大型になる欠点を有していたために, 昨年の本学会でこの問題を解決するための装置の小型軽量化に重点を置いた試作装置について報告した. 今回は試作装置によるソレノイド型誘導コイルとパンケーキ型誘導コイルの加温特性について報告する. 〔対象〕基本仕様はAC200V, 3kWまでの連続可変, 100kHz~400kHz周波数で, 外形寸法は0.4mx0.4mx0.4mである. ソレノイド型誘導コイルは100kHzでは磁場強度2.4mT, インダクタンスは15.2μHとなり, 400kHzでは磁場強度5.3mT, インダクタンスは2.8μHとなった. パンケーキ型誘導コイルは100kHzではインダクタンスは16.5μH, 400kHzでは磁場強度5.2mT, インダクタンスは2.9μHとなった. DMはソレノイド型誘導コイルにはFe濃度は55mg/ml(MRI造影剤としての原液濃度)のものを使用し, パンケーキ型誘導コイルにはFe濃度は28mg/mlのものを使用した. 〔結語〕DMの加温特性については以下の結果が得られた. 1. DMの温度上昇は磁場強度の2乗に比例する, 2. DMの温度上昇はDM濃度に比例する, 3. DMの温度上昇は出力の2乗に比例する, 4. DMの温度上昇は周波数に比例する等である. また, DMの温度上昇は300kHzで8deg/min, 400kHzでは14deg/minであった. 温熱療法に必要な43℃以上の温度に十分到達することが確認された. 今後家兎VX2腫瘍を用いて臨床応用を想定したDMの加温特性を解明する予定である. また同時に, 医療機器としての安全性, 操作性, 意匠制・低コスト化等についても検討している. |
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ISSN: | 0911-2529 |