医薬品開発における最適原薬形態の探究―現状と今後の展望
「1. はじめに」医薬品原薬の特性として結晶性の固体が好まれる. その理由としては, 再結晶の精製効果による品質向上, 優れた物理化学的安定性, 静電気及び吸湿性等の軽減も含めたハンドリングのしやすさ等が挙げられる. 一方で, 低分子原薬の多くは結晶内の分子配列が異なる結晶多形を有することが知られている. 結晶多形は溶解性や安定性等それぞれ異なる物理化学的特性(物性)を有することから, 医薬品開発において最適な原薬形態(ここでは塩形及び結晶多形を含めた包括的な原薬の形態を意味する)を選択し, その物性や他の結晶形への転移リスクを十分把握しておくことは, 有効性や安全性, 薬物動態特性の観点だけ...
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Veröffentlicht in: | 薬剤学 2024, Vol.84(2), pp.73-78 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」医薬品原薬の特性として結晶性の固体が好まれる. その理由としては, 再結晶の精製効果による品質向上, 優れた物理化学的安定性, 静電気及び吸湿性等の軽減も含めたハンドリングのしやすさ等が挙げられる. 一方で, 低分子原薬の多くは結晶内の分子配列が異なる結晶多形を有することが知られている. 結晶多形は溶解性や安定性等それぞれ異なる物理化学的特性(物性)を有することから, 医薬品開発において最適な原薬形態(ここでは塩形及び結晶多形を含めた包括的な原薬の形態を意味する)を選択し, その物性や他の結晶形への転移リスクを十分把握しておくことは, 有効性や安全性, 薬物動態特性の観点だけでなく, 原薬・製剤の製造工程確立や晶質管理の観点からも非常に重要である. 特に臨床試験段階あるいは上市後に最安定形が出現した場合, 開発の遅延や上市後の出荷停止等につながってしまう例もある. このような背景を踏まえて, 原薬形態, とりわけ結晶多形の制御については規制当局も重視している. |
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ISSN: | 0372-7629 2188-3149 |
DOI: | 10.14843/jpstj.84.73 |