LNPの製造技術を取り巻く動向
「1. はじめに」 2020年以降のCOVID-19に対するワクチン開発を機に, 新しい創薬モダリティであるmRNA医薬品に注目が集まっている. このmRNA医薬品の開発を実現した技術の1つがmRNAを送達するDDS技術, すなわち脂質ナノ粒子(LNP)である. LNPは主にカチオン脂質(イオン化脂質, アミノ脂質を含む), 中性リン脂質, コレステロールおよびPEG脂質から構成されるナノ粒子製剤である. 2000年代から核酸医薬の送達技術としての研究開発が行われ, その技術は2018年にFDAに承認されたONPATTRO(R)に初めて応用された. ONPATTRO(R)に応用されたLNPの成...
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Veröffentlicht in: | 薬剤学 2022, Vol.82(2), pp.84-88 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 2020年以降のCOVID-19に対するワクチン開発を機に, 新しい創薬モダリティであるmRNA医薬品に注目が集まっている. このmRNA医薬品の開発を実現した技術の1つがmRNAを送達するDDS技術, すなわち脂質ナノ粒子(LNP)である. LNPは主にカチオン脂質(イオン化脂質, アミノ脂質を含む), 中性リン脂質, コレステロールおよびPEG脂質から構成されるナノ粒子製剤である. 2000年代から核酸医薬の送達技術としての研究開発が行われ, その技術は2018年にFDAに承認されたONPATTRO(R)に初めて応用された. ONPATTRO(R)に応用されたLNPの成功要因は, 新たに開発されたカチオン脂質D-Lin-MC3-DMAに依るところが大きいが, 脂質の組み合わせなどの処方設計のノウハウの蓄積がその下支えとなっている. 同じ頃, Moderna社, BioNTech社, CureVac社らによるmRNA医薬の開発に, LNPが応用できることが示されている. |
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ISSN: | 0372-7629 2188-3149 |
DOI: | 10.14843/jpstj.82.84 |