ゲルマトリックス型徐放性錠剤の製剤設計

「1. はじめに」頻尿・尿失禁は加齢とともに罹患率が増加し, QOLを大きく低下させる疾患であるため, 高齢化が進む現代において治療の重要性はますます高まっている. 当社においても2000年代初頭からは中枢性の頻尿・尿失禁治療薬を指向し, 抗コリン薬とは異なるメカニズムの医薬品開発を目指して各種化合物の開発が行われた. アドレナリンβ3受容体作動薬であるTRK-380はこれら化合物の一つであり, 臨床試験初期の剤型は速放性錠剤として処方検討を行い, 開発の進階に伴い徐放性錠剤へとシフトして行った. 徐放性錠剤は, (1)徐放性コーティング層により溶出を制御する膜透過制御型,(2)主賦形剤として...

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Veröffentlicht in:薬剤学 2020, Vol.80(4), pp.176-182
Hauptverfasser: 太田, 琴恵, 藤崎, 由記, 堀内, 保秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」頻尿・尿失禁は加齢とともに罹患率が増加し, QOLを大きく低下させる疾患であるため, 高齢化が進む現代において治療の重要性はますます高まっている. 当社においても2000年代初頭からは中枢性の頻尿・尿失禁治療薬を指向し, 抗コリン薬とは異なるメカニズムの医薬品開発を目指して各種化合物の開発が行われた. アドレナリンβ3受容体作動薬であるTRK-380はこれら化合物の一つであり, 臨床試験初期の剤型は速放性錠剤として処方検討を行い, 開発の進階に伴い徐放性錠剤へとシフトして行った. 徐放性錠剤は, (1)徐放性コーティング層により溶出を制御する膜透過制御型,(2)主賦形剤として不溶性基剤を用いるマトリックス拡散制御型, (3)親水性賦形剤を用いる浸食溶解制御型, (4)ALZAポンプに代表される浸透圧制御型に大別される.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.80.176