細胞操作による三次元組織体構築と創薬研究・再生医療への応用
「1. はじめに」生体は同種・異種の細胞が細胞外マトリックス (ECM) を介して集積し, 組織・器官・臓器を構築することで, 1細胞では得られない多様な機能発現を実現している. In vitroにおいても個々の細胞の空間的配置を制御することで, 組織がもつ高い機能を再現できると考えられており, 細胞の多くは生体環境に近い三次元的な培養を行うことで, 高い機能を示すことが知られている. 特に細胞凝集体 (スフェロイド) 形成は, 代表的な三次元培養法であり, 肝細胞, 人工多能性幹細胞 (iPS細胞) など多方面で使用されているが, 内部細胞の壊死, 内部構造・配列の意図的な制御, 多種細胞と...
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Veröffentlicht in: | 薬剤学 2016/09/01, Vol.76(5), pp.294-300 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」生体は同種・異種の細胞が細胞外マトリックス (ECM) を介して集積し, 組織・器官・臓器を構築することで, 1細胞では得られない多様な機能発現を実現している. In vitroにおいても個々の細胞の空間的配置を制御することで, 組織がもつ高い機能を再現できると考えられており, 細胞の多くは生体環境に近い三次元的な培養を行うことで, 高い機能を示すことが知られている. 特に細胞凝集体 (スフェロイド) 形成は, 代表的な三次元培養法であり, 肝細胞, 人工多能性幹細胞 (iPS細胞) など多方面で使用されているが, 内部細胞の壊死, 内部構造・配列の意図的な制御, 多種細胞との共培養に関して問題を有しており, 国際競争力に優れた汎用性の高い三次元組織構築技術の確立が求められている. すべての種類の体細胞に分化する能力をもつiPS細胞の登場などで, 組織の再生や臓器の機能の代替といった再生医療への注目が集まっているが, 幹細胞研究における作製効率や分化誘導技術の進展とは別に, これらの細胞をどのように立体的に組織化するかが重要な課題となっている. |
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ISSN: | 0372-7629 2188-3149 |
DOI: | 10.14843/jpstj.76.294 |