DDSの理想を追いかけて

「1. 研究者誕生秘話」研究のゴールはどこにあるのか. ノーベル賞を取ることか. 新しい薬を作り, 多くの患者を救うことか. 私が研究という言葉を初めて知ったのは中学生の頃である. 将来なりたい職業についてうまく書けず, どんな職業があるかと参考に見たパンフレットにあったイメージ図(色の付いた液体が入ったフラスコを持ち, 白衣を着た人が立っている図)が自分の中で格好良かったため, そこに書いてあった科学者という言葉を書き写したことが始まりである. 親にその話をすると「将来がんの特効薬を作れば, ノーベル賞を取れるよ」と言われ, 研究とは何か新しいものを作る職業で, 科学者はみんなノーベル賞を取...

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Veröffentlicht in:薬剤学 2013, Vol.73(3), pp.171-175
1. Verfasser: 清水, 広介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 研究者誕生秘話」研究のゴールはどこにあるのか. ノーベル賞を取ることか. 新しい薬を作り, 多くの患者を救うことか. 私が研究という言葉を初めて知ったのは中学生の頃である. 将来なりたい職業についてうまく書けず, どんな職業があるかと参考に見たパンフレットにあったイメージ図(色の付いた液体が入ったフラスコを持ち, 白衣を着た人が立っている図)が自分の中で格好良かったため, そこに書いてあった科学者という言葉を書き写したことが始まりである. 親にその話をすると「将来がんの特効薬を作れば, ノーベル賞を取れるよ」と言われ, 研究とは何か新しいものを作る職業で, 科学者はみんなノーベル賞を取りたいものなのかと思ったことを今でも覚えている. それから将来は"がんの特効薬を作る"という漠然かつ壮大な夢を冗談交じりで言うことが増えた. 高校時代, 祖父をがんで亡くし, 自分の中で"がんはくやしい存在"という思いは強まった.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.73.171