薬剤学会会長としての抱負

薬学は, 6年制教育になり医療薬学をベースにしたライフサイエンスに大きく変革しようとしている. すなわち, 医療の現場で医療スタッフの一員として活躍できる薬剤師(臨床薬剤師)と, 現場で薬物治療の実態を知り, 真に必要な薬物を創製できる薬剤師(創薬薬剤師)の育成に向けての変革である. より医療に役立つ薬学教育再建のチャンスである. 一方, 行政の誤った規制緩和で大きく膨らみ過ぎ, 研究を捨て技能教育しかできない薬科大学の林立の中で, 自然淘汰を含めた薬学教育の歪を是正するために, 我々はこの改革に薬学教育者として真摯に取り組む必要がある. 2008年5月に社団法人日本薬剤学会会長の重責を拝命し...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:薬剤学 2009, Vol.69(1), pp.1-1
1. Verfasser: 岡田, 弘晃
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:薬学は, 6年制教育になり医療薬学をベースにしたライフサイエンスに大きく変革しようとしている. すなわち, 医療の現場で医療スタッフの一員として活躍できる薬剤師(臨床薬剤師)と, 現場で薬物治療の実態を知り, 真に必要な薬物を創製できる薬剤師(創薬薬剤師)の育成に向けての変革である. より医療に役立つ薬学教育再建のチャンスである. 一方, 行政の誤った規制緩和で大きく膨らみ過ぎ, 研究を捨て技能教育しかできない薬科大学の林立の中で, 自然淘汰を含めた薬学教育の歪を是正するために, 我々はこの改革に薬学教育者として真摯に取り組む必要がある. 2008年5月に社団法人日本薬剤学会会長の重責を拝命した. この薬学教育変革期にあたり身の引き締まる思いである. 「薬剤学」は, 物理薬剤学, 生物薬剤学, 製剤工学(製剤設計学, 薬物送達システム学), それに今, 強く求められている医療薬剤学(臨床薬剤学)によって構成されている.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.69.1