医療に貢献する優れた薬物送達システムの開発を目指して

1. 教室のあゆみ 星薬科大学・薬剤学教室は, 本学が新制薬科大学として発足した昭和25年に開設され, 当時薬理学教室の教授であられた辰濃尚次郎先生を初代教授としてスタートした. 昭和46年には東京大学より永井恒司先生が38歳という若さで本教室の第四代教授として赴任された. 永井先生は着任されたその日から精力的な教育, 研究を通して教室に活気を吹き込み, 薬物送達システム(DDS)研究の潮流をまさに当教室から起こし, DDSを世界的に認められる今日の研究分野に育て上げたといえよう. 教科書に載っている口内炎治療薬・アフタッチや花粉症治療薬・リノコートが当教室が開発したものであることを授業で紹介...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:薬剤学 2008, Vol.68(3), pp.181-190
1. Verfasser: 森下, 真莉子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. 教室のあゆみ 星薬科大学・薬剤学教室は, 本学が新制薬科大学として発足した昭和25年に開設され, 当時薬理学教室の教授であられた辰濃尚次郎先生を初代教授としてスタートした. 昭和46年には東京大学より永井恒司先生が38歳という若さで本教室の第四代教授として赴任された. 永井先生は着任されたその日から精力的な教育, 研究を通して教室に活気を吹き込み, 薬物送達システム(DDS)研究の潮流をまさに当教室から起こし, DDSを世界的に認められる今日の研究分野に育て上げたといえよう. 教科書に載っている口内炎治療薬・アフタッチや花粉症治療薬・リノコートが当教室が開発したものであることを授業で紹介すると, 学生は一様に驚く. 地道な基礎研究がこのように結実したことは当教室の歴史として誇りに思うことであるし, 学生にとっても実学としてのDDSを身近に意識できる大切な財産である. 永井教授着任以来の教室員, 卒論生などの関係者からなる薬剤学同窓会の会員数は現在1,000名を越える.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.68.181