製造現場の製剤技術「造粒・乾燥」

1. はじめに 製造現場はデーターの宝庫である. 毎日製造しているのであるから当然である. 40数年前, 塩野義製薬に入社したとき, 上司の前川秀幸氏(後の取締役製造部長)から, 実験の心得を教わったが, その中に「実験は一期一会」であると, 製造条件の重要な考え方が含まれていた. さすれば, 製造現場は「一期一会で得られた条件の再現性を確認する場所」ということになろうかと思う. しかし, 製造現場では常に再現性を試みるものの, 開発段階実験では気の付かなかった沢山の変動要因がクローズアップされてくる, 2007年2月に武州製薬を退職するまでの約44年間, 製剤技術として製剤現場を見てきたこと...

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Veröffentlicht in:薬剤学 2008, Vol.68(1), pp.48-54
1. Verfasser: 大谷, 茂義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに 製造現場はデーターの宝庫である. 毎日製造しているのであるから当然である. 40数年前, 塩野義製薬に入社したとき, 上司の前川秀幸氏(後の取締役製造部長)から, 実験の心得を教わったが, その中に「実験は一期一会」であると, 製造条件の重要な考え方が含まれていた. さすれば, 製造現場は「一期一会で得られた条件の再現性を確認する場所」ということになろうかと思う. しかし, 製造現場では常に再現性を試みるものの, 開発段階実験では気の付かなかった沢山の変動要因がクローズアップされてくる, 2007年2月に武州製薬を退職するまでの約44年間, 製剤技術として製剤現場を見てきたことを, 3月に「製剤技術の伝承:造粒・乾燥」として講演した. この中から, 製造現場からピックアップした現象をいくつか示すことにする. なお, 講演は, 流動層造粒と押出し造粒に限定し, 製造現場で得られた経験をもとにして行なったので, 極めて「泥臭い」内容となった.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.68.48