Positron Emission Tomography (PET) とは ―医薬品開発への応用
1. はじめに 20世紀後半に発展した分子生物学は様々な分野に応用され, 医学では遺伝子診断, 遺伝子治療への応用が進んでいる. 一方で, ポストゲノムの時代を迎えて, 遺伝子やたんぱく質など分子レベルでの生体反応を非侵襲的に画像化する分子イメージング(molecular imaging)研究が注目を集めている. なかでもPET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影法)は最も臨床利用が進んでおり, 様々な分野への応用に期待がもたれている. 最近, わが国でもグルコース代謝を測定するPET用薬剤である[18F]FDGが一部のがんの診断に保険適応となったため...
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Veröffentlicht in: | 薬剤学 2007, Vol.67(1), pp.41-45 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. はじめに 20世紀後半に発展した分子生物学は様々な分野に応用され, 医学では遺伝子診断, 遺伝子治療への応用が進んでいる. 一方で, ポストゲノムの時代を迎えて, 遺伝子やたんぱく質など分子レベルでの生体反応を非侵襲的に画像化する分子イメージング(molecular imaging)研究が注目を集めている. なかでもPET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影法)は最も臨床利用が進んでおり, 様々な分野への応用に期待がもたれている. 最近, わが国でもグルコース代謝を測定するPET用薬剤である[18F]FDGが一部のがんの診断に保険適応となったため, PETは医療現場にも急速に普及しつつある. これはがん細胞が通常細胞の数倍以上のグルコースを取り込む性質を利用するもので, PETを用いることで全身の検索が容易になっている. 2006年現在国内に100台以上設置されており, 今後も増加が予想されている. しかし, これはPETの利用例のごく一端に過ぎない. 本稿ではPETの原理と特徴について述べた後, 最近トピックスになっている薬物(特に中枢神経作用薬)の評価や開発研究に対するPETの応用について述べることとする. |
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ISSN: | 0372-7629 2188-3149 |
DOI: | 10.14843/jpstj.67.41 |