多様化するインスリン製剤Update

インスリン療法の新展開 インスリン療法が, 多様なインスリン製剤の開発を受けて, 新たな展開を迎えようとしている. 注射剤においては, 2001年に追加インスリン分泌を補う超速効型インスリンアナログ製剤が臨床に登場し, それによって糖尿病患者のQOLは大きく改善した. それから2年, 待ち望まれた基礎インスリン分泌を補う超持効型インスリンアナログ製剤が臨床導入された. 充分な血糖コントロールを維持している糖尿病患者は20%未満といわれる中, 超速効型/超持効型製剤が揃ったことで, 注射によるインスリン療法は生理的インスリン分泌パターンの再現に限りなく近付くことに成功したといえよう. 一方, イ...

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Veröffentlicht in:薬剤学 2004, Vol.64(6), pp.358-363
1. Verfasser: 森下, 真莉子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:インスリン療法の新展開 インスリン療法が, 多様なインスリン製剤の開発を受けて, 新たな展開を迎えようとしている. 注射剤においては, 2001年に追加インスリン分泌を補う超速効型インスリンアナログ製剤が臨床に登場し, それによって糖尿病患者のQOLは大きく改善した. それから2年, 待ち望まれた基礎インスリン分泌を補う超持効型インスリンアナログ製剤が臨床導入された. 充分な血糖コントロールを維持している糖尿病患者は20%未満といわれる中, 超速効型/超持効型製剤が揃ったことで, 注射によるインスリン療法は生理的インスリン分泌パターンの再現に限りなく近付くことに成功したといえよう. 一方, インスリンを毎日必要とする患者の利便性, ひいてはコンプライアンスの向上を考える時, 注射以外の製剤が望ましいことは言うまでもない. このような背景のもと, 経粘膜インスリン送達システム製剤の開発は, 常に精力的に研究されてきたものの, なかなか研究の域をぬけず実用化が見えてこなかった.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.64.358