水晶発振子を用いた薬物のin vitro皮膚透過迅速測定法に関する検討

現在, 医薬品の候補化合物の開発はCombinatorial Chemistryの手法とHigh Throughput Screening (HTS)の考え方によって, 従来より著しく高速化してきている1). しかし, 薬物の新規合成速度や薬理活性評価速度に比して, 薬物の消化管吸収や代謝の評価速度, さらにはそれに続く製剤化速度が遅く, これらが新薬開発の律速段階となっている. また, 皮膚適用薬の開発に関しても経口薬と異なるHTSシステムの確立が急がれ, 特に, 薬物の皮膚透過性を迅速に評価する方法を確立することが急務と思われる. 薬物の皮膚透過性は消化管吸収性などに比較して著しく遅く,...

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Veröffentlicht in:薬剤学 2002, Vol.62(1), pp.36-43
Hauptverfasser: 渡邉, 哲也, 長谷川, 哲也, 高橋, 秀和, 石橋, 卓也, 古澤, 宏幸, 岡畑, 恵雄, 杉林, 堅次
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:現在, 医薬品の候補化合物の開発はCombinatorial Chemistryの手法とHigh Throughput Screening (HTS)の考え方によって, 従来より著しく高速化してきている1). しかし, 薬物の新規合成速度や薬理活性評価速度に比して, 薬物の消化管吸収や代謝の評価速度, さらにはそれに続く製剤化速度が遅く, これらが新薬開発の律速段階となっている. また, 皮膚適用薬の開発に関しても経口薬と異なるHTSシステムの確立が急がれ, 特に, 薬物の皮膚透過性を迅速に評価する方法を確立することが急務と思われる. 薬物の皮膚透過性は消化管吸収性などに比較して著しく遅く, したがって, 皮膚の透過性を今までより短時間で評価できれば, 皮膚適用薬の全体の開発時間も著しく短縮できる可能性が増す. 我々は, このような考え方に基づき, すでに三次元培養ヒト皮膚モデル(Living Skin Equivalent:LSE)を用いて種々薬物の透過実験を行い, LSE透過性がラットやヒト皮膚透過性より約10~20倍も速いため, LSEを用いることによって速くかつ高い相関性をもってヒト皮膚透過性を評価できることを報告した2).
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.62.36