難溶性薬物である脳血管障害治療薬(AJ-3941)の固体分散体顆粒の調製とその評価

((E)-1-(3-fluoro-6, 11-dihydrodibenz[b, e]oxepin-11-yl)-4-(3-phenyl-2-propenyl) piperazine dimaleate;AJ-3941)は, 脳血管障害治療に最も有用な薬物として当社が開発したものである. AJ-3941は, 水溶液中酸性領域で不安定(pH1.3で半減期約4分)で, かつ中性領域できわめて溶解度が低い(pH6.8で溶解度4μg/mL)薬物である. 一般に難溶性薬物の消化管吸収は薬物の溶解が律速となり, 経口投与後の消化管吸収率が低下する, あるいは変動することが知られている. 難溶性薬物の溶解性や...

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Veröffentlicht in:薬剤学 2001, Vol.61(2), pp.47-58
Hauptverfasser: 倉本, 正嗣, 白井, 寿海, 岩田, 敦子, 木原, 洋子, 中村, 康彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:((E)-1-(3-fluoro-6, 11-dihydrodibenz[b, e]oxepin-11-yl)-4-(3-phenyl-2-propenyl) piperazine dimaleate;AJ-3941)は, 脳血管障害治療に最も有用な薬物として当社が開発したものである. AJ-3941は, 水溶液中酸性領域で不安定(pH1.3で半減期約4分)で, かつ中性領域できわめて溶解度が低い(pH6.8で溶解度4μg/mL)薬物である. 一般に難溶性薬物の消化管吸収は薬物の溶解が律速となり, 経口投与後の消化管吸収率が低下する, あるいは変動することが知られている. 難溶性薬物の溶解性や吸収性の改善は, 医薬品を開発する上で非常に重要な問題となることから, 製剤学的手法を用いて難溶性薬物の溶解性を改善させる試みが行われている. そのひとつとして水溶性高分子であるポリビニルピロリドン1, 2)やヒドロキシプロピルメチルセルロース3)を用いた固体分散法の適用や, セルロース系高分子であるカルボキシメチルエチルセルロース4), ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートやメタアクリル酸・メチルメタアクリレートコポリマーの陰イオン系の腸溶性コーティング剤5, 6)を用いた固体分散体の適用である.
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.61.47