ポリエチレングリコール修飾リポソームへのドキソルビシン封入方法と安定性の評価
近年, 薬理活性の高い薬物が開発されるとともに, 薬物治療の最適化を目的としたドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が進められている. 特に, 細胞毒性の強い癌化学療法剤を有効に使用するためには, 薬物を可能な限り腫瘍部位へ集積させることが必要である. 広域の抗癌スペクトルをもつドキソルビシン(DXR)は, リポソーム製剤化することによって臨床上問題となる副作用, 特に心毒性を大幅に軽減することが知られており, 欧米では既に臨床応用が始められている. リポソームは, 生体適合性の高いリン脂質からなる閉鎖小胞体で荷電, 粒子径, 脂質成分などを変えることにより体内動態を制御することができ,...
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Veröffentlicht in: | 薬剤学 1998, Vol.58(1), pp.23-28 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 薬理活性の高い薬物が開発されるとともに, 薬物治療の最適化を目的としたドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が進められている. 特に, 細胞毒性の強い癌化学療法剤を有効に使用するためには, 薬物を可能な限り腫瘍部位へ集積させることが必要である. 広域の抗癌スペクトルをもつドキソルビシン(DXR)は, リポソーム製剤化することによって臨床上問題となる副作用, 特に心毒性を大幅に軽減することが知られており, 欧米では既に臨床応用が始められている. リポソームは, 生体適合性の高いリン脂質からなる閉鎖小胞体で荷電, 粒子径, 脂質成分などを変えることにより体内動態を制御することができ, 抗体などを付与すれば特定の臓器, 組織への選択的指向性を高めることが可能である. しかしながら, 従来のリポソームは, 静脈内投与されると急速に肝臓のクッパー細胞や脾臓のマクロファージに取り込まれ, これら細網内皮系組織(RES)以外の組織や細胞を標的部位とする場合, drug carrierとしての機能が大きく制限されてしまう欠点があった. |
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ISSN: | 0372-7629 2188-3149 |
DOI: | 10.14843/jpstj.58.23 |