キトサンおよびアルギン酸ナトリウムを用いた塩酸ジルチアゼムの口腔粘膜付着性フィルム剤

塩酸ジルチアゼムは, 狭心症や本態性高血圧症の治療に用いられるカルシウム拮抗薬である. 塩酸ジルチアゼムは消化管から速やかに吸収され, その血中濃度は1時間以内に最高に達する1,2). 大部分は肝で脱アセチル化の代謝を受けて排泄され, ヒトでの生物学的半減期は3~5時間と短かく, また経口投与時の生物学的利用能はヒトで約40%2,3), 家兎で約30%3,4)と低いことが報告されている. 近年, 薬物の投与経路として口腔内送達が注目を集めるようになってきた5). 投与部位としての口腔(舌下あるいは歯茎)には, 吸収が速いために作用発現が迅速である, 初回通過効果や消化管に対する副作用を回避でき...

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Veröffentlicht in:薬剤学 1997, Vol.57(1), pp.33-39
Hauptverfasser: 川崎, 直子, 稗田, 容子, 小田, 雅子, 高田, 昌彦, 芹沢, 功, 土井, 憲豪, 侯, 恵民, 宮崎, 正三
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:塩酸ジルチアゼムは, 狭心症や本態性高血圧症の治療に用いられるカルシウム拮抗薬である. 塩酸ジルチアゼムは消化管から速やかに吸収され, その血中濃度は1時間以内に最高に達する1,2). 大部分は肝で脱アセチル化の代謝を受けて排泄され, ヒトでの生物学的半減期は3~5時間と短かく, また経口投与時の生物学的利用能はヒトで約40%2,3), 家兎で約30%3,4)と低いことが報告されている. 近年, 薬物の投与経路として口腔内送達が注目を集めるようになってきた5). 投与部位としての口腔(舌下あるいは歯茎)には, 吸収が速いために作用発現が迅速である, 初回通過効果や消化管に対する副作用を回避できる, 投与が簡単であるなどの特徴がある6). これまで, 多くの薬物が舌下あるいは歯茎などの口腔粘膜から吸収されることが知られている5). 犬の口腔粘膜を用いたin situ吸収実験から, ジルチアゼムはpH分配説に従い, 受動拡散により吸収されることが報告されている7).
ISSN:0372-7629
2188-3149
DOI:10.14843/jpstj.57.33