人々の関係の広がりについて: 国際比較方法論研究の幾つかの知見から
『1. 序』 「日本人は社会的ネットワークがそれほど広がっていないのに, なぜ, 長寿なのだろうか?」 ソーシャル・キャピタル研究では, しばしば社会的ネットワークの広がりを資産と考え, それが社会的な支援をもたらし, 人々が困難な問題を抱えたとき, そのネットワークを通して支援が得られる安心もあり, ひいては健康にもつながると謳われてきた. したがって, しばしば社会的ネットワークの広がりがソーシャル・キャピタルの主要指標として研究に用いられることが多かった(Kawachi et al., 1997;Putnam, Lonardi, & Nanetti, 1994;Uslaner,...
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Veröffentlicht in: | 行動計量学 2010, Vol.37(1), pp.3-17 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 『1. 序』 「日本人は社会的ネットワークがそれほど広がっていないのに, なぜ, 長寿なのだろうか?」 ソーシャル・キャピタル研究では, しばしば社会的ネットワークの広がりを資産と考え, それが社会的な支援をもたらし, 人々が困難な問題を抱えたとき, そのネットワークを通して支援が得られる安心もあり, ひいては健康にもつながると謳われてきた. したがって, しばしば社会的ネットワークの広がりがソーシャル・キャピタルの主要指標として研究に用いられることが多かった(Kawachi et al., 1997;Putnam, Lonardi, & Nanetti, 1994;Uslaner, 2002). しかし, 調査データによると, 日本人は社会的ネットワークの拡がりは他国と比べて特には大きいわけではなく, 特に日本人の男性は「政治や健康など重大な問題を相談する相手は何人いるか?」と問われても「0, または1人」という回答が多い(池田, 2001;吉野編, 2006). |
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ISSN: | 0385-5481 1880-4705 |
DOI: | 10.2333/jbhmk.37.3 |