情報工学から見た行動計量学の展望

行動計量学と情報工学/科学は,「情報処理」を共有するものの, 従来, 異なる分野として発達して来た. 行動計量学は, 主に心理学をはじめ, 様々な人文, 社会科学や医学などの分野で, 人間行動等に起因する不確かさを伴う多面的な事象を, 多変量データ解析を共通の武器として解析し, 理解する学際的な研究分野として発展してきた. 一方, 情報工学や情報科学は, コンピュータを共通の武器として, 厳密科学としての様々な理学の分野や工学の分野で発展してきた. しかし, 近年, コンピュータとインターネットに代表される情報処理, 通信インフラの目覚ましい発達や, とりわけパターン認識や人工知能などに関わる...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:行動計量学 2002, Vol.29(1), pp.12-19
1. Verfasser: 大津, 展之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:行動計量学と情報工学/科学は,「情報処理」を共有するものの, 従来, 異なる分野として発達して来た. 行動計量学は, 主に心理学をはじめ, 様々な人文, 社会科学や医学などの分野で, 人間行動等に起因する不確かさを伴う多面的な事象を, 多変量データ解析を共通の武器として解析し, 理解する学際的な研究分野として発展してきた. 一方, 情報工学や情報科学は, コンピュータを共通の武器として, 厳密科学としての様々な理学の分野や工学の分野で発展してきた. しかし, 近年, コンピュータとインターネットに代表される情報処理, 通信インフラの目覚ましい発達や, とりわけパターン認識や人工知能などに関わる「知能情報処理」の応用分野の進展は, これまで並行に発展してきた行動計量学と情報工学/科学との接点を広げ, 両者の持つ潜在的な関わりを大きくしているのも事実である. 特に知能情報処理分野では, 近年, 実世界での膨大かつ多様で不確かな情報を処理する必要から, ますます多変量解析や確率統計的手法が重要となってきている.
ISSN:0385-5481
1880-4705
DOI:10.2333/jbhmk.29.12