特異値分解とウォルシュ変換による文字の形態的特徴の計測とその心理的妥当性

1.問題の所在 文字の自動識別装置の開発に限らず, 人間のパターン認識の研究において文字の特徴抽出は重要な課題である. 人間の識別機構が図地からなる2次元情報をそのまま判別機構で処理するとは考えられない. 何らかの特徴抽出をした上で, 文字の特徴成分が判別機構へ伝達されると考えられるからである. 文字の特徴抽出研究の心理学的意義は二つある. 一つは, そうした人間の判別機構のなかで特徴抽出機構がどのような役割をはたしているか, つまり識別モデルとしての妥当性を検討しようとするものである. もう一つの意義は, 種々の文字計測法を考えることが, 文字の視認性を吟味するために有用となるところにある....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:行動計量学 1986/03/31, Vol.13(2), pp.40-47
1. Verfasser: 服部, 環
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.問題の所在 文字の自動識別装置の開発に限らず, 人間のパターン認識の研究において文字の特徴抽出は重要な課題である. 人間の識別機構が図地からなる2次元情報をそのまま判別機構で処理するとは考えられない. 何らかの特徴抽出をした上で, 文字の特徴成分が判別機構へ伝達されると考えられるからである. 文字の特徴抽出研究の心理学的意義は二つある. 一つは, そうした人間の判別機構のなかで特徴抽出機構がどのような役割をはたしているか, つまり識別モデルとしての妥当性を検討しようとするものである. もう一つの意義は, 種々の文字計測法を考えることが, 文字の視認性を吟味するために有用となるところにある. すなわち, 1.人を使った文字の視認実験と独立して文字の特徴を計測し, それらの特徴と心理実験データの関連づけを行ない, どのような特徴が文字の見やすさを規定しているのかを分析する. 2.新しい文字形を設計する場合, その規定因を考慮することによって, 視認性の高い文字を作ることができる.
ISSN:0385-5481
1880-4705
DOI:10.2333/jbhmk.13.2_40