船舶事故の原因に関する分析的研究
1.はじめに 四方を海に囲まれ, 工業地帯が臨海部に立地する日本にとって, 海上交通は物資・旋客輸送や漁業などの面で依然重要な役割を担っている. 日本周辺の海上は船舶交通量が多く, 狭い航路など航海難所も多いため, 操船者にとって厳しい交通環境になっている. 海上保安白書によると, 日本周辺で救助を必要とする事故に遭遇する船舶は年間約2千隻, 遭難者は約1万人にのぼる. 事故の種別では衝突・乗揚が上位を占め, また原因別では機関故障などの物的原因ではなく, 見張りの失敗などの人的原因によるものが事故全体の70%以上を占めている. そこで本研究は, 船舶の衝突・乗揚のうち人的原因による事故を取り...
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Veröffentlicht in: | 行動計量学 1985/09/30, Vol.13(1), pp.21-32 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1.はじめに 四方を海に囲まれ, 工業地帯が臨海部に立地する日本にとって, 海上交通は物資・旋客輸送や漁業などの面で依然重要な役割を担っている. 日本周辺の海上は船舶交通量が多く, 狭い航路など航海難所も多いため, 操船者にとって厳しい交通環境になっている. 海上保安白書によると, 日本周辺で救助を必要とする事故に遭遇する船舶は年間約2千隻, 遭難者は約1万人にのぼる. 事故の種別では衝突・乗揚が上位を占め, また原因別では機関故障などの物的原因ではなく, 見張りの失敗などの人的原因によるものが事故全体の70%以上を占めている. そこで本研究は, 船舶の衝突・乗揚のうち人的原因による事故を取り上げ, 事故の原因およびそれに影響を及ぼしている潜在的要因を解明することにより, 海上交通の安全確保に資することを目的とする. 人的原因による船舶事故の分析の鍵となるのは, 操船行動における人間のエラーである. 操船行動は見張りや操舵など多くの具体的操船行為から成り, 個々の行為において人間のエラーが発生する. |
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ISSN: | 0385-5481 1880-4705 |
DOI: | 10.2333/jbhmk.13.21 |