肝臓機械灌流保存の現状と我が国への導入へ向けて

「はじめに 体外機械灌流保存について」移植に用いる臓器の保存方法には, 単純に浸漬冷却する方法と, 血液を洗い流した後に灌流装置に接続して保存液を循環させる方法の2つがある. 現在のわが国における臓器移植の現場では, その簡便さから単純冷却保存方法のみである. 一方, 世界的に移植用臓器の不足が深刻であり, これを克服するために高齢者ドナーや脂肪肝といったExpanded criteria donor(ECD)や心停止ドナー(Donation after circulatory death:DCD)が用いられている. しかしながら, DCDやECDからの移植では移植後の虚血再灌流障害ともいうべ...

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Veröffentlicht in:移植 2023, Vol.58(1), pp.19-27
Hauptverfasser: 松野, 直徒, 小原, 弘道, 石井, 大介, 岩田, 浩義, 水上, 奨一郎, 高橋, 裕之, 今井, 浩二, 古川, 博之, 横尾, 英樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに 体外機械灌流保存について」移植に用いる臓器の保存方法には, 単純に浸漬冷却する方法と, 血液を洗い流した後に灌流装置に接続して保存液を循環させる方法の2つがある. 現在のわが国における臓器移植の現場では, その簡便さから単純冷却保存方法のみである. 一方, 世界的に移植用臓器の不足が深刻であり, これを克服するために高齢者ドナーや脂肪肝といったExpanded criteria donor(ECD)や心停止ドナー(Donation after circulatory death:DCD)が用いられている. しかしながら, DCDやECDからの移植では移植後の虚血再灌流障害ともいうべき遷延性機能障害(Delayed graft function:DGF)が高率に発生し長期予後に影響する. 一般的に許容されるECD肝グラフトを表1に示した. 灌流保存は組織代謝に必要な酸素と栄養素などの供給と老廃物の除去が可能であり, また必要に応じていわゆるグラフトコンディショニングという治療介入が可能である.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.1_19