COVID-19感染流行期における摘出医の負担軽減を目指した臓器摘出機材貸出シミュレーション

「I. はじめに」 COVID-19の世界的感染流行拡大によって, われわれの日常生活は大きく様変わりした. 本稿の執筆は, オミクロン株の流行が本邦でも拡大しつつあり, COVID-19国内感染流行の第6波が始まろうとしつつある, 2022年初頭である. 本邦は海外と比べると, 依然COVID-19感染者数や死亡者数が少ないものの, 国内でも人, 物資の移動が制限されている. この状況下においても, 移植医療を地域格差なく, 平等に供給することは喫緊の課題であり, 筆者らは, 令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)として「新型コロナウイルス感染症流行時に移植実...

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Veröffentlicht in:移植 2022, Vol.57(2), pp.169-175
Hauptverfasser: 伊藤, 泰平, 剣持, 敬, 太田, 充彦, 蔵満, 薫, 曽山, 明彦, 木下, 修, 江口, 晋, 湯沢, 賢治, 江川, 裕人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「I. はじめに」 COVID-19の世界的感染流行拡大によって, われわれの日常生活は大きく様変わりした. 本稿の執筆は, オミクロン株の流行が本邦でも拡大しつつあり, COVID-19国内感染流行の第6波が始まろうとしつつある, 2022年初頭である. 本邦は海外と比べると, 依然COVID-19感染者数や死亡者数が少ないものの, 国内でも人, 物資の移動が制限されている. この状況下においても, 移植医療を地域格差なく, 平等に供給することは喫緊の課題であり, 筆者らは, 令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)として「新型コロナウイルス感染症流行時に移植実施施設において脳死下・心停止下臓器移植医療を維持推進するための調査研究」を実施した. 本邦の移植医療は, 2010年の改正臓器の移植に関する法律の施行以降, 臓器提供が増加傾向にあり, 2019年は過去最高の98件の脳死下臓器提供が行われた. しかしながらCOVID-19感染流行拡大により, 臓器提供が減少に転じたのみならず, 摘出医の移動も制限を余儀なくされた事例も散見される.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.2_169