腎移植レシピエントの高LDLコレステロール血症に対するPCSK9阻害薬の使用経験
「I. 緒言」腎移植後は免疫抑制療法に起因して脂質代謝異常が助長され, 移植後の管理で脂質異常症を目にする機会は多い. 腎移植レシピエントの主要死因である心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)予防の観点から, 一般にCVDの危険因子となる脂質異常を管理することは, 腎移植レシピエントの予後改善につながると期待できる. 脂質異常症管理の中でLDLコレステロール(low density lipoprotein-cholesterol:LDL-C)値低下を図ったスタチン治療が最たるものであるが, 腎移植レシピエントにおいては免疫抑制療法として投与されるカルシニューリン阻害...
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Veröffentlicht in: | 移植 2021, Vol.56(4), pp.413-418 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 緒言」腎移植後は免疫抑制療法に起因して脂質代謝異常が助長され, 移植後の管理で脂質異常症を目にする機会は多い. 腎移植レシピエントの主要死因である心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)予防の観点から, 一般にCVDの危険因子となる脂質異常を管理することは, 腎移植レシピエントの予後改善につながると期待できる. 脂質異常症管理の中でLDLコレステロール(low density lipoprotein-cholesterol:LDL-C)値低下を図ったスタチン治療が最たるものであるが, 腎移植レシピエントにおいては免疫抑制療法として投与されるカルシニューリン阻害薬(calcineurin inhibitor:CNI)との相互作用も影響し, スタチン治療のみでは適切なLDL-C管理が得られない例も少なくない. 腎移植レシピエントは元来慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)としてCVD発症の主要リスク因子を有しており, 厳格な管理目標を設定した積極的脂質低下療法が望ましいが, 不十分なスタチン治療で適切なLDL-C管理を得られなければ, 本来の目的となる心血管への利益を享受できない可能性がある. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.56.4_413 |