肺移植後の抗体関連拒絶に対するrituximab (遺伝子組換え)

「I. はじめに」1983年のトロントグループによる脳死肺移植の成功以降, 35年以上の月日が流れ, 肺移植は, 慢性呼吸不全に対する最後の治療の一つとして確立した医療となった. 本邦でも, 1998年の第一例目の生体肺移植を皮切りに, 2019年末までに650例を超える肺移植が行われ, 術後20年を越える患者も出始めている. 特に本邦の肺移植は, 5年生存率が70%以上で, 10年生存率も60%を超えるなど世界トップレベルの医療となっている. 一方で, 長期成績は, まだ満足のいくものではなく, 慢性期の最大の死因の原因である慢性期移植片機能不全の克服は最大の課題であり, 抗体関連型拒絶反応...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:移植 2021-07, Vol.56 (1), p.53-68
Hauptverfasser: 芳川豊史, 伊達洋至, 杉本誠一郎, 白石武史, 中川健, 江川裕人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」1983年のトロントグループによる脳死肺移植の成功以降, 35年以上の月日が流れ, 肺移植は, 慢性呼吸不全に対する最後の治療の一つとして確立した医療となった. 本邦でも, 1998年の第一例目の生体肺移植を皮切りに, 2019年末までに650例を超える肺移植が行われ, 術後20年を越える患者も出始めている. 特に本邦の肺移植は, 5年生存率が70%以上で, 10年生存率も60%を超えるなど世界トップレベルの医療となっている. 一方で, 長期成績は, まだ満足のいくものではなく, 慢性期の最大の死因の原因である慢性期移植片機能不全の克服は最大の課題であり, 抗体関連型拒絶反応(antibody-mediated rejection:AMR)は重要な危険因子の一つであるといわれている. 臓器移植において, 移植後に発現する拒絶反応は, 移植臓器の生着や患者の生存に関わる重大な事象であり, 拒絶反応の抑制は重要な課題である.
ISSN:0578-7947