長期透析患者に対する脳死腎移植後に,急性膵炎から膵仮性嚢胞胃穿破を来した1例

「I. はじめに」腎移植後の膵仮性嚢胞は, 頻度は高くないものの移植後膵炎に合併し重篤化しやすい疾患として知られている. 一方で本邦において腎移植後に膵仮性嚢胞破裂を来した症例は現在までのところ報告されていない. 今回われわれは長期透析患者に対する脳死腎移植後2か月目に膵仮性嚢胞の胃穿破を来たした症例を経験したので報告する. 「II. 症例」症例 : 40代, 男性, 血液型AB型. 既往歴 : 1991年慢性糸球体腎炎に対して透析導入. 2001年右被殻出血, 2012年左被殻梗塞. 左片麻痺はあるがADLは自立. 現病歴 : 201X年脳死左腎移植術を施行された. ドナーは40代男性, 血...

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Veröffentlicht in:移植 2018, Vol.53(1), pp.51-56
Hauptverfasser: 阿佐美, 健吾, 吉田, 諭, 水野, 豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」腎移植後の膵仮性嚢胞は, 頻度は高くないものの移植後膵炎に合併し重篤化しやすい疾患として知られている. 一方で本邦において腎移植後に膵仮性嚢胞破裂を来した症例は現在までのところ報告されていない. 今回われわれは長期透析患者に対する脳死腎移植後2か月目に膵仮性嚢胞の胃穿破を来たした症例を経験したので報告する. 「II. 症例」症例 : 40代, 男性, 血液型AB型. 既往歴 : 1991年慢性糸球体腎炎に対して透析導入. 2001年右被殻出血, 2012年左被殻梗塞. 左片麻痺はあるがADLは自立. 現病歴 : 201X年脳死左腎移植術を施行された. ドナーは40代男性, 血液型AB型, くも膜下出血にて脳死と判定された. HLA適合度は5ミスマッチであり, ダイレクトクロスマッチは陰性であった. ドナー左腎をレシピエントの右腸骨窩に腹膜外アプローチにて移植した.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.53.1_51