生体肝移植後成人レシピエントの心理的体験プロセス―移植によるつらさと意欲回復の視点から
「I. 諸言」1963年に世界初の脳死肝移植がアメリカで行われ, 以来, 肝移植は末期肝臓疾患の治療法として確立した. わが国初の生体肝移植は1989年に施行された. 当時の日本には脳死肝移植の法的承認がなく, そのため生体肝移植術は末期肝臓疾患の唯一の治療法として発展した. その後1997年に臓器移植法が成立し, ようやく脳死肝移植が法的に承認され, 2010年には改正臓器移植法が施行された. この法改正以降, 脳死肝移植症例数は徐々に増加しているものの, 2012年12月時点での脳死肝移植症例数は176例にとどまり, わが国はいまだ生体肝移植に頼らざるをえない現状にある. 生体肝移植の特徴...
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Veröffentlicht in: | 移植 2017/09/30, Vol.52(4-5), pp.374-381 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 諸言」1963年に世界初の脳死肝移植がアメリカで行われ, 以来, 肝移植は末期肝臓疾患の治療法として確立した. わが国初の生体肝移植は1989年に施行された. 当時の日本には脳死肝移植の法的承認がなく, そのため生体肝移植術は末期肝臓疾患の唯一の治療法として発展した. その後1997年に臓器移植法が成立し, ようやく脳死肝移植が法的に承認され, 2010年には改正臓器移植法が施行された. この法改正以降, 脳死肝移植症例数は徐々に増加しているものの, 2012年12月時点での脳死肝移植症例数は176例にとどまり, わが国はいまだ生体肝移植に頼らざるをえない現状にある. 生体肝移植の特徴は, 多くのレシピエントとドナーが血縁関係にあることが挙げられる. そのため, 生体肝移植を進める上では, レシピエントとドナーの元来からの関係性への配慮が重要である. また生体肝移植による侵襲は多大で, ドナーの肝臓の一部が移植された肝臓に生着するまでの間は安静を要す傾向にある. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.52.4-5_374 |