発生学に基づく腎臓の再構築

「はじめに」胚性幹細胞 (embryonic stem cell : ES細胞) やヒト人工多能性幹細胞 (induced pluripotent stem cell : iPS細胞) の樹立はヒト臓器の再生に関する研究を大きく発展させた. 幹細胞から再生された臓器を移植する再生医療は既に一部の臓器で臨床研究として開始されており, 再生医療が治療選択肢の一つに数えられる日も近い. 本邦での末期腎不全の患者は増加を続けており, 末期腎不全による透析患者数は約32万人に達しているが, 末期腎不全に対する唯一の根本治療である腎移植は年間約1,600例 (生体腎移植が約1,400例) に留まっている....

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Veröffentlicht in:移植 2017/09/30, Vol.52(4-5), pp.318-324
Hauptverfasser: 倉岡, 将平, 西中村, 隆一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」胚性幹細胞 (embryonic stem cell : ES細胞) やヒト人工多能性幹細胞 (induced pluripotent stem cell : iPS細胞) の樹立はヒト臓器の再生に関する研究を大きく発展させた. 幹細胞から再生された臓器を移植する再生医療は既に一部の臓器で臨床研究として開始されており, 再生医療が治療選択肢の一つに数えられる日も近い. 本邦での末期腎不全の患者は増加を続けており, 末期腎不全による透析患者数は約32万人に達しているが, 末期腎不全に対する唯一の根本治療である腎移植は年間約1,600例 (生体腎移植が約1,400例) に留まっている. 献腎移植が少ない本邦において慢性的なドナー不足が問題となっており, 腎臓の再生医療はその状況を打開しうる方法として大きな関心と期待を集めている. これまで腎臓再生についての研究は他臓器に比べて大きく遅れをとっていた.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.52.4-5_318