胆嚢管を用いて胆道再建を施行した生体肝移植の1例

「I. 緒言」 肝移植の胆道再建において, 以前は胆管空腸吻合が基本であったが, 近年, 乳頭機能の温存に伴う逆行性感染の少ない胆管胆管吻合が標準となっている. 当科においても, 以前は胆管空腸吻合による再建が中心であったが, 2002年以降は胆管胆管吻合を基本術式としている. 胆管胆管吻合において, レシピエント側の胆管としては通常, 総胆管, 総肝管, 左右胆管を使用するが, 再建すべきグラフトの胆管が複数存在する場合, これらとレシピエント側の胆管との吻合が困難な場合がある. 今回, われわれは合併症の多いとされる右葉グラフトを用いた生体部分肝移植において, ドナー胆管に分岐異常を認めた...

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Veröffentlicht in:移植 2015/07/31, Vol.50(2-3), pp.229-233
Hauptverfasser: 細田, 洋平, 富丸, 慶人, 丸橋, 繁, 和田, 浩志, 江口, 英利, 浅岡, 忠史, 友國, 晃, 土岐, 祐一郎, 森, 正樹, 永野, 浩昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」 肝移植の胆道再建において, 以前は胆管空腸吻合が基本であったが, 近年, 乳頭機能の温存に伴う逆行性感染の少ない胆管胆管吻合が標準となっている. 当科においても, 以前は胆管空腸吻合による再建が中心であったが, 2002年以降は胆管胆管吻合を基本術式としている. 胆管胆管吻合において, レシピエント側の胆管としては通常, 総胆管, 総肝管, 左右胆管を使用するが, 再建すべきグラフトの胆管が複数存在する場合, これらとレシピエント側の胆管との吻合が困難な場合がある. 今回, われわれは合併症の多いとされる右葉グラフトを用いた生体部分肝移植において, ドナー胆管に分岐異常を認めたため, レシピエントの胆嚢管を用いた胆道再建を施行し, 良好な経過が得られた1例を経験したので報告する. 「II. 症例」 症例:49歳, 女性 主訴:全身倦怠感, 嘔気, 褐色尿 現病歴:2011年11月に全身倦怠感, 嘔気, 褐色尿が出現し, 近医を受診した. 肝機能障害を指摘され入院となったが, 肝性脳症(II度)が出現し, 劇症肝炎と診断された.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.50.229