2度の臓器搬送を要し冷阻血時間が長時間となった脳死肝移植の1例
「I. はじめに」 本邦における生体肝移植医療は, 1989年に開始され現在まで約6,500例に施行され, 移植後累積患者生存率・グラフト生着率ともに満足のいく成績である1). 一方, 脳死肝移植数は, 2010年7月における「臓器の移植に関する法律(臓器移植法)」改正案の施行により徐々に増加傾向にあるが, 依然として生体肝移植数を凌駕するものではない. 一方, University of Wisconcin(UW)液等の臓器灌流保存液の開発により臓器保存時間の延長が可能となり, 肝臓においては約12時間以内であればgraft viabilityを保つことができる. しかし, 保存時間の延長は...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 移植 2013/09/10, Vol.48(4-5), pp.259-264 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「I. はじめに」 本邦における生体肝移植医療は, 1989年に開始され現在まで約6,500例に施行され, 移植後累積患者生存率・グラフト生着率ともに満足のいく成績である1). 一方, 脳死肝移植数は, 2010年7月における「臓器の移植に関する法律(臓器移植法)」改正案の施行により徐々に増加傾向にあるが, 依然として生体肝移植数を凌駕するものではない. 一方, University of Wisconcin(UW)液等の臓器灌流保存液の開発により臓器保存時間の延長が可能となり, 肝臓においては約12時間以内であればgraft viabilityを保つことができる. しかし, 保存時間の延長はprimary non-functionや胆管合併症などの移植後合併症の原因となりうる. 今回, われわれは長時間の冷阻血時間(cold ischemia time:CIT)を要した脳死肝移植症例を経験したので報告する. 「II. 症例」 17歳男性. 長兄がオルニチントランスカルバミラーゼ(ornithine transcarbamylase:OTC)欠損症にて生後6カ月で死亡. |
---|---|
ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.48.259 |