直腸腺内分泌細胞癌の1例: 病理免疫組織学的検討を中心に
消化管の内分泌細胞癌はきわめてまれな腫瘍で, 早期から転移を示すなど悪性度が高く予後不良の腫瘍であるが, 病巣の中にさらに腺癌成分を有するものは腺内分泌癌と呼称される. 今回, 直腸の腺内分泌細胞癌の1例を経験したので病理組織学的検討を中心に報告する. 症例は68歳, 男性. 排尿困難を主訴に近医泌尿器科を受診. 直腸診にて下部直腸の腫瘤を指摘され国立病院機構嬉野医療センター(当院)消化器科紹介となった. 大腸内視鏡では肛門輪より約4cmの部位に腸管腔の2/3周を占める比較的境界明瞭な硬い隆起性の腫瘍性病変が認められ生検を施行, adenocarcinomaの診断にて摘出手術が行われた. 腫瘍...
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Veröffentlicht in: | 医療 2008/05/20, Vol.62(5), pp.296-301 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 消化管の内分泌細胞癌はきわめてまれな腫瘍で, 早期から転移を示すなど悪性度が高く予後不良の腫瘍であるが, 病巣の中にさらに腺癌成分を有するものは腺内分泌癌と呼称される. 今回, 直腸の腺内分泌細胞癌の1例を経験したので病理組織学的検討を中心に報告する. 症例は68歳, 男性. 排尿困難を主訴に近医泌尿器科を受診. 直腸診にて下部直腸の腫瘤を指摘され国立病院機構嬉野医療センター(当院)消化器科紹介となった. 大腸内視鏡では肛門輪より約4cmの部位に腸管腔の2/3周を占める比較的境界明瞭な硬い隆起性の腫瘍性病変が認められ生検を施行, adenocarcinomaの診断にて摘出手術が行われた. 腫瘍組織は, 3×5cm大, 中心に潰瘍を形成する低隆起性病変で, 割面は灰白色調充実性であった. 組織学的には不明瞭な腺管様構造(リボン状構造)を示しながら充実性, 胞巣状に増殖, 浸潤するcarcinomaで, 表層部ではgoblet cellに類似した細胞形態を示していた. 腫瘍細胞は, 免疫組織化学にてepithelial membrane antigen (EMA) (+), keratin (+), AE1%AE3 (+), Neuron-specific enolase (NSE) (-), chromograninA (-), carcinoembryonic antigen (CEA) (+), S-100 (+), gastrin (-), calcitonin (-), Alpha-fetoprotein (AFP) (+), somatostatin (+), synaptophysin (+/-), CD56 (-), P53 (-), Ki-67 (focal+)を示した. 以上の所見からadenoendocrine cell carcinomaと診断した. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.62.296 |