脳血管障害患者の食事動作の援助技術

はじめに 食事は基本的欲求の一つであり,もっとも早く習得できる日常生活動作(ADL)である.食事動作とは摂食動作(咀嚼・嚥下を含む),摂食動作に必要な起居,座位保持,移動等を含めた一連の動作のことをいう.また,摂食動作には5つの過程があるといわれている.食物を認識し口に運ぶ時期を先行期,咀嚼して唾液と混ぜ合わせて食塊を作る時期を準備期,準備期で作られた食塊を舌によって口腔から咽頭へ送り込む時期を口腔期,食塊を咽頭から食道へ送り込む時期を咽頭期,食塊を食道内から胃へと送り込む時期を食道期と呼んでいる1).食事動作の障害とは,関節可動域の制限・協調運動障害などの身体機能障害や,高次脳機能障害・認知...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 2007, Vol.61 (7), p.506-513
Hauptverfasser: 藤塚史子, 野中道子, 中島美雪, 佐藤徳子, 佐藤智恵子, 大塚麻理子, 池田美穂, 竹田恵利子, 内田裕子, 新藤直子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに 食事は基本的欲求の一つであり,もっとも早く習得できる日常生活動作(ADL)である.食事動作とは摂食動作(咀嚼・嚥下を含む),摂食動作に必要な起居,座位保持,移動等を含めた一連の動作のことをいう.また,摂食動作には5つの過程があるといわれている.食物を認識し口に運ぶ時期を先行期,咀嚼して唾液と混ぜ合わせて食塊を作る時期を準備期,準備期で作られた食塊を舌によって口腔から咽頭へ送り込む時期を口腔期,食塊を咽頭から食道へ送り込む時期を咽頭期,食塊を食道内から胃へと送り込む時期を食道期と呼んでいる1).食事動作の障害とは,関節可動域の制限・協調運動障害などの身体機能障害や,高次脳機能障害・認知や意欲などの精神機能障害や,咀嚼・嚥下障害によって自力で食事動作困難であることをいう2).今回,脳血管障害により,食物を口に運ぶ動作(先行期)の障害に対する援助技術と,食物が口に入ってからの摂食・嚥下障害に対する援助技術に分けて説明する.
ISSN:0021-1699