早期の補助循環導入により症状の改善をみた劇症型心筋炎の3症例
1998-2001年の間に, 3例の劇症型心筋炎を経験した. 1例はインフルエンザ感染が疑われたが, 他の2例では原因ウイルスは特定できなかった. いずれも入院時より, 心原性ショックの状態であり, 2例で重篤な心室性不整脈をともなっていた. カテコラミン使用下でも血行動態は不安定であったため, 3例とも発症12-24時間で大動脈内バルーンパンピングintra-aortic balloon pumping (IABP)と経皮的心肺補助percutaneous cardiopulmonary support (PCPS)を開始した. 補助循環の合併症として局所の出血, 溶血をともなう貧血が認めら...
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Veröffentlicht in: | 医療 2006/08/20, Vol.60(8), pp.525-531 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1998-2001年の間に, 3例の劇症型心筋炎を経験した. 1例はインフルエンザ感染が疑われたが, 他の2例では原因ウイルスは特定できなかった. いずれも入院時より, 心原性ショックの状態であり, 2例で重篤な心室性不整脈をともなっていた. カテコラミン使用下でも血行動態は不安定であったため, 3例とも発症12-24時間で大動脈内バルーンパンピングintra-aortic balloon pumping (IABP)と経皮的心肺補助percutaneous cardiopulmonary support (PCPS)を開始した. 補助循環の合併症として局所の出血, 溶血をともなう貧血が認められたが, 下肢の虚血症状はみられなかった. 3例とも血行動態は安定し, 補助循環導入後7-9日で離脱が可能となった. 薬物治療として3例ともステロイドホルモンが投与された. 投与の目的は心筋炎への直接効果ではなく, 症例1では血行動態の改善, 症例2では肺病変の治療, 症例3では気管支喘息発作の予防と血行動態の安定であった. 内服治療としては2例ではさらにACE阻害薬が投与され, そのうち1例ではR遮断薬が併用されたが, 1例は無投薬であった. 3例とも早期のIABPとPCPSの導入が予後の改善に有効と考えられた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.60.525 |