国立病院機構施設における長期人工呼吸の実態調査

国立病院機構施設における長期人工呼吸の実態調査を行った. その結果, 80施設に2,055名の該当者が入院中であることが判明した. その内訳は, 筋ジストロフィ―; 1,114名, 筋萎縮性側索硬化症; 410名, その他の神経難病; 236名, 重症心身障害; 265名, その他; 30名であった. 使用人工呼吸器は53機種で, 一施設平均4.9種と, 多数の機種が混在しており, 安全管理上大きな問題となっていた. またポータブル型が51%であったが, クリティカルベンティレーターが使用されているケースも148例(7.2%)あった. 人工呼吸実施期間をみると, 10年以上使用者が288名(1...

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Veröffentlicht in:医療 2005/08/20, Vol.59(8), pp.427-432
Hauptverfasser: 多田, 羅勝義, 石川, 悠加, 今井, 尚志, 神野, 進, 西問, 三馨, 福永, 秀敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:国立病院機構施設における長期人工呼吸の実態調査を行った. その結果, 80施設に2,055名の該当者が入院中であることが判明した. その内訳は, 筋ジストロフィ―; 1,114名, 筋萎縮性側索硬化症; 410名, その他の神経難病; 236名, 重症心身障害; 265名, その他; 30名であった. 使用人工呼吸器は53機種で, 一施設平均4.9種と, 多数の機種が混在しており, 安全管理上大きな問題となっていた. またポータブル型が51%であったが, クリティカルベンティレーターが使用されているケースも148例(7.2%)あった. 人工呼吸実施期間をみると, 10年以上使用者が288名(14.2%), うち11名は20年以上使用者であった. 対象者2,055名中, 1,215名は気管切開, 801名が非侵襲的陽圧人工呼吸であった. 外出経験は, 筋ジストロフィーで54,9%, 筋萎縮性側索硬化症で23.2%, 重症心身障害で20.8%であった. 全体的に生態情報モニタリング実施率は低く, パルスオキシメトリーによるモニタリングは筋ジストロフィーで35.4%, 筋萎縮性側索硬化症では40.7%で行われているに過ぎなかった. 一方, 重症心身障害では92.8%と大多数で実施されていた. 多機種混在と同様, 安全管理上大きな問題と考えられた. 国立病院機構における長期人工呼吸患者は増加が予測されるが, 内在する諸問題解決に当たっては, 今後とも正確な情報収集が必要である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.59.427