マラリア

わが国からの日本人年間出国者数は, 2001年のアメリカ同時多発テロの影響および2003年のSARS流行の影響で, 2001年の16,357,572人をピークにその数は減少傾向を示し, 2003年には13,296,330人となった. 輸入マラリアの年間届け出患者数も2000年に152人まで増加したものの, 2001年には104人, 2002年には82人に減少した1). しかしながら, 世界のおよそ100ヵ国で, 年間3-5億人が未だにマラリアに罹り, 150-270万人が死亡している状況を鑑みると2), やがてまたわが国からの渡航者数が回復するにつれ, 輸入マラリア患者数も増加するものと考えら...

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Veröffentlicht in:医療 2004/07/20, Vol.58(7), pp.431-433
1. Verfasser: 狩野, 繁之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:わが国からの日本人年間出国者数は, 2001年のアメリカ同時多発テロの影響および2003年のSARS流行の影響で, 2001年の16,357,572人をピークにその数は減少傾向を示し, 2003年には13,296,330人となった. 輸入マラリアの年間届け出患者数も2000年に152人まで増加したものの, 2001年には104人, 2002年には82人に減少した1). しかしながら, 世界のおよそ100ヵ国で, 年間3-5億人が未だにマラリアに罹り, 150-270万人が死亡している状況を鑑みると2), やがてまたわが国からの渡航者数が回復するにつれ, 輸入マラリア患者数も増加するものと考えられる. 引き続き海外渡航者のマラリア感染リスクに関して特別な関心が払われてしかるべきである. マラリア原虫の生活史と病理 ハマダラカ(Fig.1)の唾液腺からヒトの末梢血中に刺入されたマラリア原虫をスポロゾイトと呼ぶが, スポロゾイトは直ちに肝細胞の中に侵入してそこで分裂増殖を繰り返す. 肝内型の原虫が分裂体(シゾント)に成熟するのにおよそ1週から1月かかるが, この期間はヒトは無症状であり, いわゆるマラリアの潜伏期にほぼ一致する.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.58.431