自己免疫性肝疾患の病因・診断・治療

自己免疫性肝疾患には, 自己免疫性肝炎(AIH), 原発性胆汁性肝硬変(PBC), 原発性硬化性胆管炎(PSC), および自己免疫性胆管炎(AIC)が含まれる. AIHは肝細胞障害を主体し, PBCは肝内の小葉間胆管障害を, PSCは肝内外の中等大-大きな胆管の障害を特徴とする. AICは抗ミトコンドリア抗体陰性で抗核抗体陽性の胆汁うっ滞を主体とする新しい概念の肝疾患として提唱されたが, 現在ではPBCの亜型と考えられている. AIHの多くは副腎ステロイド薬に反応し, 適切に治療される限り予後はよい. PBCも多くの症例は無症候性であるが, 2-3割の症例は緩徐ながらも進行し, 肝硬変に進展す...

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Veröffentlicht in:医療 2004/02/20, Vol.58(2), pp.67-72
1. Verfasser: 石橋, 大海
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:自己免疫性肝疾患には, 自己免疫性肝炎(AIH), 原発性胆汁性肝硬変(PBC), 原発性硬化性胆管炎(PSC), および自己免疫性胆管炎(AIC)が含まれる. AIHは肝細胞障害を主体し, PBCは肝内の小葉間胆管障害を, PSCは肝内外の中等大-大きな胆管の障害を特徴とする. AICは抗ミトコンドリア抗体陰性で抗核抗体陽性の胆汁うっ滞を主体とする新しい概念の肝疾患として提唱されたが, 現在ではPBCの亜型と考えられている. AIHの多くは副腎ステロイド薬に反応し, 適切に治療される限り予後はよい. PBCも多くの症例は無症候性であるが, 2-3割の症例は緩徐ながらも進行し, 肝硬変に進展する. AIHと異なり副腎ステロイド薬は禁忌とされる. 中年女性に多いAIH, PBCに対して若年-中年男性に多いPSCは胆汁うっ滞性肝硬変へ進展する率が高い. いずれの疾患も特異的な治療法がないために, 肝硬変へ至った症例は肝移植のよい適応となる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.58.67