胸部大動脈瘤と心臓の合併手術

胸部大動脈瘤(TAA)手術は, 今日でも手術危険率の高い疾患の一つであるが, その手術死亡率は年々少しずっ低下してきている. しかし, このようなTAA手術に心臓疾患の合併手術が加わると, 単独のTAA手術よりも手術危険度が増すことが予測される. TAA手術に心臓の同時手術が加わった場合の手術成績を検討した. 対象と方法 1994年8月から2000年12月までに行った133例のTAA手術のうち, 心臓疾患の手術を合併して同時に行った39例を対象とした. 年齢は28歳から82歳(62±12歳), 75歳以上が7例で, 男性22例, 女性17例であった. TAAは, 急性A型解離26例, 慢性A型...

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Veröffentlicht in:医療 2003-05, Vol.57 (5), p.328-330
Hauptverfasser: 川内義人, 戸嶋良博, 中島淳博, 川野博, 小須賀智一, 今坂堅一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胸部大動脈瘤(TAA)手術は, 今日でも手術危険率の高い疾患の一つであるが, その手術死亡率は年々少しずっ低下してきている. しかし, このようなTAA手術に心臓疾患の合併手術が加わると, 単独のTAA手術よりも手術危険度が増すことが予測される. TAA手術に心臓の同時手術が加わった場合の手術成績を検討した. 対象と方法 1994年8月から2000年12月までに行った133例のTAA手術のうち, 心臓疾患の手術を合併して同時に行った39例を対象とした. 年齢は28歳から82歳(62±12歳), 75歳以上が7例で, 男性22例, 女性17例であった. TAAは, 急性A型解離26例, 慢性A型解離7例, 真性瘤6例であった. 手術は, 上行置換17例, 弓部置換21例および遠位弓部置換1例で, 同時に合併施行した心臓手術は, 大動脈弁吊り上げ23例, Bentall手術4例, 大動脈弁置換(AVR)2例, 冠状動脈バイパス術(CABG)2例, CABG+大動脈弁吊り上げ2例, および, AVR+CABG, Bentall手術+CABG, Cabrol手術, David手術, 心室中隔欠損閉鎖術, 肺動脈形成術各々1例であった. 緊急手術は, 病院到着後24時間以内に手術したもの, 弓部置換は少なくとも一つの弓部分枝を再建したもの, 遠位弓部置換は正中切開から左鎖骨下動脈直下で近位下行大動脈を置換したものとした.
ISSN:0021-1699