(2) 告知を受けて: 家族の立場から

15年前に夫をALSで亡くしたが, 何のサポートもない時代であったため, 十分な告知もなかった. その後すぐ日本ALS協会が設立されて, 国や県への陳情もさかんになり, 機関誌の発行によってALSを取り巻く情報も豊かになった. 意志伝達装置の給付を受け, 自らの闘病記を出版する人も増え, 人工呼吸器のレンタルが可能になり, 患者への負担もずっと減り, 人工呼吸器を装着して生きることを選ぶ患者も少しずっ増えてきた. 平成6年に国立精神神経センター国府台病院の中に「ALS医療相談室」が開設され, 相談員の一人として多くの患者の告知の場に同席し, 心のケアの大切さを学び, 同じ患者, 家族の立場とし...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療 2002/06/20, Vol.56(6), pp.347-347
1. Verfasser: 川上, 純子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:15年前に夫をALSで亡くしたが, 何のサポートもない時代であったため, 十分な告知もなかった. その後すぐ日本ALS協会が設立されて, 国や県への陳情もさかんになり, 機関誌の発行によってALSを取り巻く情報も豊かになった. 意志伝達装置の給付を受け, 自らの闘病記を出版する人も増え, 人工呼吸器のレンタルが可能になり, 患者への負担もずっと減り, 人工呼吸器を装着して生きることを選ぶ患者も少しずっ増えてきた. 平成6年に国立精神神経センター国府台病院の中に「ALS医療相談室」が開設され, 相談員の一人として多くの患者の告知の場に同席し, 心のケアの大切さを学び, 同じ患者, 家族の立場としてできるだけサポートしてきた. また, 日本ALS協会本部のボランティアとして, 多くの電話相談を受けたが, とりわけ告知に関する苦情が多々あった. 医師の一言一言が患者の生き方を大きく左右すると言っても過言ではない. ALSと診断がつき, 患者との信頼関係もできたら, 早めに正確に告知をして頂きたい. よりよい療養生活をしていくためにも, 先手に対応してゆくことが重要である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.56.347