看護婦長の機能評価と求められる能力

全国国立病院・療養所および国立高度専門医療センターに勤務する看護婦長2,184人を対象に看護婦長機能評価を用いて自己評価を行い, 役割遂行を把握し教育の必要性および教育内容の必要領域を明らかにするために調査を行った. その結果, (1)看護婦長機能評価で自己評価の高い領域は臨床実践能力(業務, 患者, 労務, 安全に関する事項)であった. 自己評価の低い領域は, 教育能力, 管理能力, 研究能力, 専門能力である. 具体的には情報収集・処理能力, 組織化能力, 文章化能力であり, これらの管理能力は日常業務のなかで常に求められているが, これが低いことは, 看護部長が目的意識を持って関わってい...

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Veröffentlicht in:医療 2001/09/20, Vol.55(9), pp.444-452
Hauptverfasser: 塚越, 郁代, 澤, 和子, 小宅, 比佐子, 鈴木, 俊子, 坂本, 恵美子, 斎藤, 主子, 田村, 春枝, 池田, みちよ
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:全国国立病院・療養所および国立高度専門医療センターに勤務する看護婦長2,184人を対象に看護婦長機能評価を用いて自己評価を行い, 役割遂行を把握し教育の必要性および教育内容の必要領域を明らかにするために調査を行った. その結果, (1)看護婦長機能評価で自己評価の高い領域は臨床実践能力(業務, 患者, 労務, 安全に関する事項)であった. 自己評価の低い領域は, 教育能力, 管理能力, 研究能力, 専門能力である. 具体的には情報収集・処理能力, 組織化能力, 文章化能力であり, これらの管理能力は日常業務のなかで常に求められているが, これが低いことは, 看護部長が目的意識を持って関わっていない実態や基礎的教育との関連がある. (2)不足している能力を看護教員養成課程の受講者と未受講者とを比較した結果, 受講者は1位変革能力・2位研究能力・3位管理能力であり, 未受講者は1位研究能力・2位教育能力・3位変革能力であった. 教育能力は部下育成の観点から不可欠であり, 看護婦長への昇任者には教育の研修が必須である. (3)管理能力は経験年数3年未満, 年齢39歳以下は自己評価が低いので, 育成に力を注ぐ時期である. 経験年数5~10年・3~5年, 年齢40~49歳の看護婦長は, 自己評価の高い領域に移行する時期であることから管理者として動機付けに最適の時期である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.55.444