活動性肺結核症における血漿・気管支肺胞洗浄液中HNP(ヒト好中球ペプチド)に関する臨床的検討
human neutrophil peptide (HNP)は好中球に存在する塩基性ペプチドで, 抗酸菌を含む種々の病原体に対して抗菌活性を有している. その一方で好中球から放出されるHNPの組織傷害も報告されている. 肺結核症においても好中球が感染防御の一端を担っていることから, 本症におけるHNPの臨床的意義について検討した. 対象は肺結核症32例で健常者25例を対照群とした. 肺結核治療前の患者血漿中HNPは健常者に比較して有意に高値で, 治療後には有意に低下した. また肺結核治療前の気管支肺胞洗浄液(BALF)中HNPも健常者に比較して有意に高値で, BALF中インターロイキン8と有意...
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Veröffentlicht in: | 医療 2001/05/20, Vol.55(5), pp.223-227 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | human neutrophil peptide (HNP)は好中球に存在する塩基性ペプチドで, 抗酸菌を含む種々の病原体に対して抗菌活性を有している. その一方で好中球から放出されるHNPの組織傷害も報告されている. 肺結核症においても好中球が感染防御の一端を担っていることから, 本症におけるHNPの臨床的意義について検討した. 対象は肺結核症32例で健常者25例を対照群とした. 肺結核治療前の患者血漿中HNPは健常者に比較して有意に高値で, 治療後には有意に低下した. また肺結核治療前の気管支肺胞洗浄液(BALF)中HNPも健常者に比較して有意に高値で, BALF中インターロイキン8と有意な正の相関を示した. また肺結核症の治療前血漿中HNPは治療前後の肺活量の改善率と有意な負の相関を示した. 今回の成績からHNPは肺結核症において抗菌因子として作用していると同時に, 組織傷害をきたすことにより肺機能の低下に関与している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.55.223 |