肺気腫の外科的治療

肺気腫の治療はこれまで, 内科的対症療法しかなかった. 肺気腫は不可逆的な肺胞, および末梢気道の破壊を伴っているため, 病変そのものの修復は不可能である. しかし, 肺気腫の臨床的特徴は呼吸困難であり, その改善ができるならば, 治療目標はほぼ, 達成されたと考えてよい. 呼吸困難の原因は過膨張による横隔膜の平坦化にあり, その改善は気腫部の除去(volume reduction)により達成できる. 最近の胸骨正中切開, もしくは胸腔鏡下のレーザー焼灼を含めた肺気腫の外科的治療(volume reduction surgery)は, これまで, 肺移植しか根治的治療法がなかった肺気腫の症例に...

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Veröffentlicht in:医療 1996/03/20, Vol.50(3), pp.163-168
1. Verfasser: 毛利, 昌史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:肺気腫の治療はこれまで, 内科的対症療法しかなかった. 肺気腫は不可逆的な肺胞, および末梢気道の破壊を伴っているため, 病変そのものの修復は不可能である. しかし, 肺気腫の臨床的特徴は呼吸困難であり, その改善ができるならば, 治療目標はほぼ, 達成されたと考えてよい. 呼吸困難の原因は過膨張による横隔膜の平坦化にあり, その改善は気腫部の除去(volume reduction)により達成できる. 最近の胸骨正中切開, もしくは胸腔鏡下のレーザー焼灼を含めた肺気腫の外科的治療(volume reduction surgery)は, これまで, 肺移植しか根治的治療法がなかった肺気腫の症例に希望とquality of lifeを与えることができる有力な治療法であり, 今後の発展が期待される.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.50.163