Donath-Landsteiner抗体の出現をみた多発性筋炎の1例

Donath-Landsteiner抗体(D-L抗体)の多くは, ある種の感染症に続発して小児に出現しやすい. 今回,我々は, 多発性筋炎に合併してD-L抗体の出現をみた成人例を経験したので報告する. 症例は46歳, 男性. 平成5年11月, 体重減少と筋力低下を主訴に, 当科に入院した. 全身の筋萎縮を認め, 血液検査で筋原性酵素が上昇し, 筋生検にて多発性筋炎と診断された. 入院中, 本例に一過性の溶血がみられた. クームス試験・寒冷凝集反応・不規則抗体スクリーニング・Hamテストは陰性であり, 赤血球抵抗試験も正常であったが, Donath-Landsteiner寒冷溶血素が陽性であった...

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Veröffentlicht in:医療 1995/11/20, Vol.49(11), pp.931-933
Hauptverfasser: 森田, 茂樹, 山川, 賢一, 小野, 敬司, 松田, 美登里, 佐藤, 聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Donath-Landsteiner抗体(D-L抗体)の多くは, ある種の感染症に続発して小児に出現しやすい. 今回,我々は, 多発性筋炎に合併してD-L抗体の出現をみた成人例を経験したので報告する. 症例は46歳, 男性. 平成5年11月, 体重減少と筋力低下を主訴に, 当科に入院した. 全身の筋萎縮を認め, 血液検査で筋原性酵素が上昇し, 筋生検にて多発性筋炎と診断された. 入院中, 本例に一過性の溶血がみられた. クームス試験・寒冷凝集反応・不規則抗体スクリーニング・Hamテストは陰性であり, 赤血球抵抗試験も正常であったが, Donath-Landsteiner寒冷溶血素が陽性であった. 本例は自己免疫性疾患である多発性筋炎に自己抗体の一つであるD-L抗体が合併しており, 興味ある症例と思われた. また成人にD-L抗体が出現することはまれであるが, 本例は成人発症例であった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.49.931