77歳で発症したCreutzfeldt-Jacob病の1剖検例

全経過1年3ヵ月で死亡した遣伝歴のない78歳女性のクロイツフェルト・ヤコブ病の剖検例を報告した. 発症後1ヵ月以内に急速に痴呆が進行, 2ヵ月目にミオクローヌス, 3ヵ月半で脳波上周期性同期性放電が出現した. 脳重量は1070g, 大脳皮質は全般性に高度萎縮し, 神経細胞脱落, 海綿状変化, 肥絆星状膠細胞増生を示した. 白質は前頭葉と後頭葉を中心に組織の粗髪化が目立った. 小脳顆粒層は脱落するもKuru斑みられず, 老人性変化や血管病変は認められなかった. 臨床病理学的には亜急性海綿状脳症であり, 抗プリオン抗体による免疫染色ではシナプスにプリオン蛋白が沈着している所見が得られた. 従来の報...

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Veröffentlicht in:医療 1995/02/20, Vol.49(2), pp.182-184
Hauptverfasser: 冨永, 格, 海宝, 美和子, 高沢, 博, 坂村, 雄, 織田, 辰郎, 大嶺, 繁二, 女屋, 光基
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:全経過1年3ヵ月で死亡した遣伝歴のない78歳女性のクロイツフェルト・ヤコブ病の剖検例を報告した. 発症後1ヵ月以内に急速に痴呆が進行, 2ヵ月目にミオクローヌス, 3ヵ月半で脳波上周期性同期性放電が出現した. 脳重量は1070g, 大脳皮質は全般性に高度萎縮し, 神経細胞脱落, 海綿状変化, 肥絆星状膠細胞増生を示した. 白質は前頭葉と後頭葉を中心に組織の粗髪化が目立った. 小脳顆粒層は脱落するもKuru斑みられず, 老人性変化や血管病変は認められなかった. 臨床病理学的には亜急性海綿状脳症であり, 抗プリオン抗体による免疫染色ではシナプスにプリオン蛋白が沈着している所見が得られた. 従来の報告と比較してかなり高齢である点が本例では特徴的であり, 臨床的に本症を疑った時点で今後は積極的に遺伝子検索をすすめるべきであろう.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.49.182