肝硬変合併肝癌の耐糖能障害とTAE施行後の長期予後
1988年より1992年までに九州がんセンターに入院し, 初回治療としてTAEが選択された, 肝硬変合併非進行肝細胞癌70症例のうち, 治療前に7590GTTが施行された48症例(糖尿病群20例, 非糖尿病群28例)を対象として耐糖能障害の予後におよぼす効果につき検討した. 年齢, 肝硬変の病因, 肝機能検査値, 臨床病期, Stage, 空腹時血糖値について両群間に有意差はなかった. TAE治療後の2年生存率は, 糖尿病群・非糖尿病群それぞれ66%・92%, 3年生存率はそれぞれ22%・82%, 4年生存率はそれぞれ22%・55%で, 非糖尿病群で有意に高かった. 多変量解析による検討でも,...
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Veröffentlicht in: | 医療 1995/01/20, Vol.49(1), pp.21-25 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1988年より1992年までに九州がんセンターに入院し, 初回治療としてTAEが選択された, 肝硬変合併非進行肝細胞癌70症例のうち, 治療前に7590GTTが施行された48症例(糖尿病群20例, 非糖尿病群28例)を対象として耐糖能障害の予後におよぼす効果につき検討した. 年齢, 肝硬変の病因, 肝機能検査値, 臨床病期, Stage, 空腹時血糖値について両群間に有意差はなかった. TAE治療後の2年生存率は, 糖尿病群・非糖尿病群それぞれ66%・92%, 3年生存率はそれぞれ22%・82%, 4年生存率はそれぞれ22%・55%で, 非糖尿病群で有意に高かった. 多変量解析による検討でも, 糖尿病の有無は有意な予後決定因子であった. 一方, TAE後の肝機能障害の程度は糖尿病群でより高度であった. 以上より, 重要な予後因子として糖尿病があり, それは治療後の肝予備能低下に関連していることが示唆される. したがって, 耐糖能の評価はTAEの適応・程度を決定する上で有用と考えられる. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.49.21 |