回腸膀胱瘻を合併したCrohn病の1例

Crohn病による回腸膀胱瘻の1例を経験した. 症例は25歳の男性で, 主訴は下痢, 腹痛, 発熱, 糞尿であった. 昭和63年よりCrohn病と診断されていたが, 平成3年7月1日, 上記主訴のため入院となった. 入院時検査で低蛋白血症, CRP強陽性, 尿・便培養でCitrobacter freundiiを杉出. IVP, 膀胱造影, 膀胱鏡, 下腹部CTで膀胱右後壁に隆起性病変が疑われた. 注腸造影で回盲部の著明な変形, 上行結腸とS状結腸に多数のpseudopolyp, S状結腸には線状潰瘍も認めた. ガストログラフィンを用いた小腸造影で膀胱が造影され, Crohn病の回腸膀胱瘻と診断...

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Veröffentlicht in:医療 1994/08/20, Vol.48(8), pp.630-633
Hauptverfasser: 島田, 昌明, 須賀, 昭二, 岩瀬, 弘明, 西尾, 雄司, 印藤, 実知子, 杉田, 洋一, 青田, 泰博, 京兼, 和宏, 永井, 弘文, 森瀬, 公友
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Crohn病による回腸膀胱瘻の1例を経験した. 症例は25歳の男性で, 主訴は下痢, 腹痛, 発熱, 糞尿であった. 昭和63年よりCrohn病と診断されていたが, 平成3年7月1日, 上記主訴のため入院となった. 入院時検査で低蛋白血症, CRP強陽性, 尿・便培養でCitrobacter freundiiを杉出. IVP, 膀胱造影, 膀胱鏡, 下腹部CTで膀胱右後壁に隆起性病変が疑われた. 注腸造影で回盲部の著明な変形, 上行結腸とS状結腸に多数のpseudopolyp, S状結腸には線状潰瘍も認めた. ガストログラフィンを用いた小腸造影で膀胱が造影され, Crohn病の回腸膀胱瘻と診断した. 保存的治療では糞尿は持続し瘻孔の閉鎖がみられなかったため, 同年9月24日, 回盲部切除・膀胱部分切除を施行した・切除標本では回腸, 膀胱間に瘻孔が認められ, その周囲に膿瘍を形成していた. 術後経過は良好で, 平成4年1月13日, 退院し, 現在, 瘻孔の再発はみられていない.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.48.630