老年痴呆における神経軸索流障害仮説の提唱:アミロイド斑と原線維変化を結びつけるもの
老年痴呆(アルツハイマー病)における神経病理学的特徴として, アミロイド斑と原線維変化の二つがあるが, この両者の関係は不明である. 本研究ではこの両者の成因を統合的に説明する目的で神経軸索流障害に着目し, この障害がアミロイド斑と原線維変化を結びつける共通の原因ではないかとする神経軸索流障害仮説を提唱した. アミロイド斑を構成するβアミロイドはAPP (amyloid precursor protein)と呼ばれる前駆蛋白に由来し, 一方原線維変化には神経内細胞骨格の変化の関与が推定されている. 本仮説を検証する目的で, ラット脳に神経軸索流障害を加え, 銀染色および免疫染色によって観察した...
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Veröffentlicht in: | 医療 1993/12/20, Vol.47(12), pp.954-959 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 老年痴呆(アルツハイマー病)における神経病理学的特徴として, アミロイド斑と原線維変化の二つがあるが, この両者の関係は不明である. 本研究ではこの両者の成因を統合的に説明する目的で神経軸索流障害に着目し, この障害がアミロイド斑と原線維変化を結びつける共通の原因ではないかとする神経軸索流障害仮説を提唱した. アミロイド斑を構成するβアミロイドはAPP (amyloid precursor protein)と呼ばれる前駆蛋白に由来し, 一方原線維変化には神経内細胞骨格の変化の関与が推定されている. 本仮説を検証する目的で, ラット脳に神経軸索流障害を加え, 銀染色および免疫染色によって観察した. その結果, APPの神経軸索内貯留とともに, 嗜銀性の亢進, アルツ―50陽性化, ニューロフィラメント集積など細胞内骨格の変化を認めた. これは, 軸索流障害がAPPの貯留と細胞骨格の変化の両者に共通の成因となり得ることを示唆し, 本仮説を支持する. 仮説の課題を提示するとともに文献的考察を加えた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.47.954 |