わが国の腎移植と腎臓提供の現況

わが国の腎移植は1969年に死体腎移植が初めて成功して以来, 腎不全医療の根治療法としてその役割を果たしてきた. これまで5737回の生体腎移植と2002回の死体腎移植が行われ, 5, 10, 15年生着率/生存率は生体腎移植で64.8/84.5%, 50.4/77.1%, 40.0/71.6%であり, 死体腎移植ではそれぞれ45.5/76.7%, 33.5/69.8%, 18.6/62.0%, となっている. シクロスポリンの導入後はさらに成績の向上が顕著である. 腎移植には臓器の公平な配分および臓器提供を促す移植ネットワークが重要であり, また救命救急センターの協力が欠かせない. 救命救急...

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Veröffentlicht in:医療 1993/01/20, Vol.47(1), pp.3-8
1. Verfasser: 横山, 健郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:わが国の腎移植は1969年に死体腎移植が初めて成功して以来, 腎不全医療の根治療法としてその役割を果たしてきた. これまで5737回の生体腎移植と2002回の死体腎移植が行われ, 5, 10, 15年生着率/生存率は生体腎移植で64.8/84.5%, 50.4/77.1%, 40.0/71.6%であり, 死体腎移植ではそれぞれ45.5/76.7%, 33.5/69.8%, 18.6/62.0%, となっている. シクロスポリンの導入後はさらに成績の向上が顕著である. 腎移植には臓器の公平な配分および臓器提供を促す移植ネットワークが重要であり, また救命救急センターの協力が欠かせない. 救命救急センターを対象にした調査から全脳死患者に, または腎臓提供の可能性の高いものに限って腎臓提供の説明を行えば, 腎臓移植の例数の2~4倍の増加が見込まれる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.47.3