膵仮性嚢胞の治療
1970年以降経験した膵仮性嚢胞16例を成因により膵炎性8例と外傷性8例に分けて臨床的に検討した. 16例中, 自然消失を外傷性の3例(18.8%)に, 腹腔内への破裂を膵炎症の2例(12.5%)に認めた. 治療法は, 膵炎性では保存的治療例が4例, 観血的治療例が4例であったが, 外傷性ではそれぞれ5例と3例で保存的治療が多かった. 観血的治療としては, 開腹ドレナージ3例, 嚢胞胃吻合術2例, 嚢胞空腸吻合術2例, 嚢胞膵体尾部合併切除1例であった. 保存的治療としては, 5例が輸液酵素阻害剤投与のみで, その他超音波誘導下経皮的嚢胞ドレナージ2例, 経皮的穿刺1例, 経皮経肝的胆管ドレナ...
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Veröffentlicht in: | 医療 1992/07/20, Vol.46(7), pp.536-541 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1970年以降経験した膵仮性嚢胞16例を成因により膵炎性8例と外傷性8例に分けて臨床的に検討した. 16例中, 自然消失を外傷性の3例(18.8%)に, 腹腔内への破裂を膵炎症の2例(12.5%)に認めた. 治療法は, 膵炎性では保存的治療例が4例, 観血的治療例が4例であったが, 外傷性ではそれぞれ5例と3例で保存的治療が多かった. 観血的治療としては, 開腹ドレナージ3例, 嚢胞胃吻合術2例, 嚢胞空腸吻合術2例, 嚢胞膵体尾部合併切除1例であった. 保存的治療としては, 5例が輸液酵素阻害剤投与のみで, その他超音波誘導下経皮的嚢胞ドレナージ2例, 経皮的穿刺1例, 経皮経肝的胆管ドレナージ1例であった. 又, 外痛後嚢胞の消失が遷延した1例で膵嚢胞内ヘエタノールを注入し, 嚢胞の縮小が得られた. 以上, 膵仮性嚢胞に対しては最近, エコーガイド下の嚢胞ドレナージを主とした保存的治療で対処することが多くなったが, 自然破裂の存在を念頭におく必要があると思われ報告した. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.46.536 |