パーキンソン病患者におけるグルタミン酸脱水素酵素(GDH)活性について
グルタミン酸代謝異常が神経の変性にいかなる関与を持つかということを末梢血成分のリンパ球をperipheral markerとしてその代謝酵素の1つであるグルタミン酸脱水素酵素(total GDH)とその分画(heat-stabie GDH, heat-labile GDH)とを測定して以下の結果を得た. 1)パーキンソン病患者のリンパ球GDH活性においては男女差はなく, また加齢との相関は認めなかった. 2)臨床経過年数やYahr重症度分類とGDH活性値との間には相関関係は無かった. 3) l-Dopa内服群と非内服群にも活性値の有意差は認めなかった. 4)正常者群に比しパーキンソン病ではGD...
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Veröffentlicht in: | 医療 1992/06/20, Vol.46(6), pp.403-408 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | グルタミン酸代謝異常が神経の変性にいかなる関与を持つかということを末梢血成分のリンパ球をperipheral markerとしてその代謝酵素の1つであるグルタミン酸脱水素酵素(total GDH)とその分画(heat-stabie GDH, heat-labile GDH)とを測定して以下の結果を得た. 1)パーキンソン病患者のリンパ球GDH活性においては男女差はなく, また加齢との相関は認めなかった. 2)臨床経過年数やYahr重症度分類とGDH活性値との間には相関関係は無かった. 3) l-Dopa内服群と非内服群にも活性値の有意差は認めなかった. 4)正常者群に比しパーキンソン病ではGDHは総活性とそのいずれの分画においても有意に低下していた. 5)GDH活性の低下はheat-labile GDHよりもheatstable GDH低下の関与が大きかった.6) GDH活性値は正常とのoverlapがかなり見られ, かつ活性値は連続的であり, 活性正常群と活性低下群との間には明瞭な境界は存在しなかった. 以上より中枢のグルタミン酸代謝が末梢血成分に反映されるとしてもGDH活性の低下が神経変性の一次的原因であることは考えにくく, むしろ二次的要素を反映していると思われる. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.46.403 |